卓越した経営者1位の松下幸之助に「古すぎ」の声 「せめて豊田会長とか」「なぜサイバー藤田社長が入ってないの?」

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   一般社団法人日本能率協会は、主催する役員・経営幹部向け研修プログラムの受講者を対象とした「トップマネジメント意識調査2023」を実施した。これからの経営者に求められる資質としては、「本質を見抜く力」(43.8%)、「変化への柔軟性」(30.6%)、「イノベーションの気概」(27.8%)との回答が多かった。

   また、卓越した経営者であると思われる人物として回答者から名前が挙げられたのは、第1位が松下幸之助、第2位が稲盛和夫、第3位がスティーブ・ジョブズ、第4位が本田宗一郎、第5位が渋沢栄一だった。これには中堅世代から「さすがに古すぎるのでは」という声もあがっている。

  • 経営者に求められる資質とは
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トップ5がすべて物故者「アップデートが遅れている」

   回答者の所属企業は東証プライムが55.9%、非上場が33.0%。回答者の役職は執行役員が39.8%、部長が25.0%、取締役が17.9%。回答者の年齢は、50代が74.4%、60代が12.6%、40代以下は13.0%だった。

   日本の伝統企業の50代以上になる役職員が8割以上を占めたせいか、卓越した経営者のトップ5がすべて物故者という驚きの結果に。新興上場企業で執行役員を務める40代男性のAさんは「現役経営者の名前が入っていないことに驚くというか、呆れた。アップデートが遅れている」と明かす。

「松下幸之助さんは立派な方だと思いますけど、昭和の高度経済成長時の経営者ですよね。いまの時代に『卓越した』と評価されるべき方ではないと思いますよ。パナソニックだって、旧総合電機メーカーの中で周回遅れの事業再編を行っているイメージです。上場廃止した東芝よりはマシですが、改革を成し遂げた日立製作所の東原(敏昭)社長などの名前を挙げるべきではないですか」

   日立製作所はリーマンショック後に7800億円あまりの最終赤字に転落後、V字回復を果たし、その後10年以上かけて上場子会社22社を再編・整理。ITサービスと社会インフラの会社に姿を変えることに成功している。

   Aさんは、現代の経営者に必要な仕事として「本質を見抜く」といった抽象的なものではなく、「戦略を決断し実行すること」と指摘する。

「日立はメーカーからITサービスの会社に変わるという戦略方針を立て、日立化成(現レゾナック)や日立金属(現プロテリアル)といった歴史ある会社も果敢に売却した。人に対する温情を優先して、大胆な事業リストラができる会社が少なかったから、日本経済は『失われた30年』が続いているのだと思います」
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