今年の恵方巻は「お買い得感」たっぷり! ゴージャスな「海鮮恵方巻」より安く、しかし「食品ロス」は...

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「食品ロス」解消は、掛け声倒れになるか?

――海産物が軒並み安くなったのは、福島第一原発の処理水放出問題で、中国が日本産水産物を輸出規制し、国内に出回っているからでしょうか。

飯島さん 中国の禁輸問題もありますが、ロシア産のカニやタラといった水産物がたくさん入ってきていることのほうが大きいです。ロシアがウクライナに侵攻したことに対する経済制裁で、米国がロシアの水産物を買わなくなったのです。

そのため、ロシアの水産物がダブついて、「経済制裁」の隙間を縫って日本に大量に入ってきています。米国が厳格に経済制裁を行っているのに対し、日本は水産物を「経済制裁」の対象から除外したこともあり、かなり安くなっています。

――恵方巻というと、近年、食品ロスが問題になっていますが、今年はどうなるでしょう。

飯島さん 一昨年(2022年)あたりから「食品ロス」の声が高まり、昨年(2023年)は原料高もあって予約制度を導入するところが多かったのです。今シーズンは食品ロスを意識して、大手コンビニも含め、ほぼすべての企業が予約制度を導入しています。しかし、それで食品ロスがなくなるかというと、疑問です。

まだ、予約制度を導入するところは数千円、1万円クラスのプレミアがつく高級海鮮恵方巻品に限られるところが大半です。1000円クラスの一般品となると、予約制度を浸透させるには、ネット受付の人手とか、システムの構築とか、手間がかかります。

安い一般品に、そこまで手間をかけるメリットがありません。「環境に配慮して食品ロスを防ぐ」という建前はいいのですが、最後は「半額シール」を貼って、やっと売り切れるかどうかというのがスーパーの現実です。しかも、コンビニでは本社の方針もあって、値段を下げられないところが多いですから、食品ロスはかなり発生するかもしれません。
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