国会議員からも疑問が出るも...メーカー「ニセ科学ではない」
陸自の入札公告が出ると、1月22日になって、専門家からこの配管保護装置は「ニセ科学」ではないかとの指摘がX上で出た。 冷温水が流れる鋼管は、強磁性体であり、電気伝導率が大きい金属のため、電磁波は鋼管を通過して水中に入らず、化学変化について何も起きないと説明した。
こうした指摘は、ネット上で大きな話題になり、陸自の導入方針に異論の声が相次いだ。
防衛省の記者会見でも翌23日、非科学的と指摘が出ていることから科学的根拠を示すよう質問が出て、報道官が早急に確認すると答えた。また、自民党の山本朋広衆院議員は同日、ニセ科学の指摘があり入札を止めるように防衛省に伝えたとX上で報告した。
その後、24日になって、保護装置の入札公告や仕様書が東部方面会計隊サイトから削除された。それに代わって、入札公告から「『200号建物冷温水管保護装置取付』について、取り消す」との「変更公告」が同日付で出された。
一方、日本システム企画の熊野活行社長は25日、取材に対し、自社製品のパイプテクターについて、「金属は、格子状の結晶ですので、そのすき間よりも幅が小さい電磁波は通過します」などとして、「ニセ科学ではありません」と主張した。入札取り消しについては、「誹謗・中傷するグループがどういう人たちか調査して結論を出さずに、会見で言われたから止めるというのは、短絡的すぎて納得できません」と述べたが、抗議などは考えていないという。
ニセ科学の指摘をどう考えるか、入札取り消しをなぜ行ったのかなどについて、陸上自衛隊に23日からJ-CASTニュースが取材を申し込んでおり、25日19時現在で回答は来ていない。回答が来次第、追って伝える。
追記(1月26日11時30分):陸自の練馬駐屯地の広報班が26日、取材に回答し、ニセ科学については、検証する立場でないためコメントできないとしたが、入札取り消しについては、次のようにコメントした。「本件公告の目的である老朽化した配管の赤さびによる詰まりを改善することを達成するために何が適切なのか、という観点から情報収集を行うため調整をいったん保留することとし、入札の公告を取り止めました」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)
午後、防衛省の担当者達が国会事務所に来所。元自衛官の再任用制度に関して議論。加えて、NMRパイプテクターなる効果がよく分からない、疑似科学との指摘も散見されるモノを自衛隊が入札で導入する可能性があり、公告済みではあるが、入札を止められるのであれば止めるように指摘。調査するとのこと。 pic.twitter.com/MQCReDmdpf
— 山本ともひろ℗ (@ty_polepole) January 23, 2024