「保険とか共済といった制度への加入も重要」ではあるけれど
次に、近藤氏が39分ほど質問に立った。自らの被災経験について振り返った上で、各避難所で受けた要望を岸田氏に伝えた。被災者の要望の中でも、西田氏と同様、近藤氏も断水の早期復旧を求めた。
「水の問題というのは命の問題であり、そして過疎地を救うという大変重い問題でございますから、前倒しという希望の光は頂きましたが、勝負の3か月、なんとか年度内3月中に水が来るようにするといったご答弁をお願いいたします」
これに対し、岸田氏は「そうした思いはしっかり受け止めながら、こうした実務面での応援、拡充をしっかり行っていかなければならない」などと答えた上で、「現実決して甘くはありませんが、地元のこうした期待や声はしっかり受け止めながら努力を続けていきたいと思います」との方針を示した。
立憲・日本維新・国民が共同提出すると発表した「被災者生活再建支援法改正案」は、住宅が損壊した世帯への支給額を、現行の最大300万円から600万円に倍増させるのが柱。近藤氏は「従来のお金では全然足りない」と、改正案の趣旨を説明。さらに、最大100万円の「基礎支援金」を200万円に引き上げる理由として、生活手段としての車の重要性を訴えた。
これに対し、岸田氏は
「住宅を再建される被災者への経済的支援のあり方について、能登の実情に合わせて追加的な方策を検討いたします、ということを申し上げた次第です。その際に、やはり災害が多い地域において、保険とか共済といった制度への加入も重要であるという観点、さらには、被災者生活再建支援金は、災害による財産の損失を補填するというものではなく、被災者を側面的に支援するという性格のお金であるということ。さらには、過去の災害とのバランスや公平性の観点から、どういう方策を用意するべきなのか今検討しているところです」
と答えた上で、災害復興住宅融資や税制上の特例対応といった制度と組み合わせることで住宅や車などの支援を考えることは重要だとした。