(3)をなくすことが先決
国会答弁作成というと、難しく時間がかかると思われるが、答えているようで既に答弁済みか実施済みのことを答えて、新たなことは何も答えないというのが基本なので、難しくない。まして、前日の18時以降の質問通告ならば新たな意思決定を政府内で行うのは不可能なので、何も答えないという答弁しかできない。今であれば、AI(人工知能)に過去の答弁を読み込ませて書かせれば簡単に答弁が作れるだろう。
こうしてみると、解決策が見えてくる。まず質問通告が著しく遅い(3)については政府側の問題でなく、通告側の議員の問題だ。しばしば党の事情で質問者が決まっていないことも少なくない。そこで(3)についてその都度議員名を公表し、必要あればその弁明を議員に行わせればいい。いずれにしても(3)をなくすことが先決だ。
その上で、(3)に対する答弁は、通告時間が遅かったことを述べたうえで原則として簡単に済ますことだ。ただし、突発事案でやむを得ない場合には臨機応変で対応したらいい。
++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。