吉本興業が発表した週刊誌報道などへの新たな「対応方針」で、ダウンタウン松本人志さん(60)の名前を出さず、「当社所属タレント」としたことについて、X(旧ツイッター)上などで様々な憶測が流れている。
それらは、松本さんに対し、同社が距離を置くようになったのではないかといったものだ。実際はどうなのか、同社の担当者に取材して聞いた。
「当該事実は一切なく」→「事実確認を進めている」
「昨年末以来の当社所属タレントに関する様々な報道...」
吉本興業が2024年1月24日にサイト上で出したお知らせ「週刊誌報道等に対する当社の対応方針について」は、こんな冒頭で始まっていた。
そこでは、「私的行為とはいえ、当社所属タレントらがかかわったとされる会合に参加された複数の女性が精神的苦痛を被っていたとされる旨の記事に接し、当社としては、真摯に対応すべき問題であると認識しております」と打ち出した。
23年7月からは、社外有識者を交えたガバナンス委員会を設置し、コンプライアンスの周知徹底などに努めてきたとし、現在は、「当事者を含む関係者に聞き取り調査を行い、事実確認を進めているところです」と説明した。ただ、前日にあった委員会で、当初の「当該事実は一切なく」との会社コメントが混乱を招いた、事実確認して説明責任を果たすべきだ、と厳しい指摘を受けたことも明らかにした。そのうえで、引き続き事実確認を進め、タレントらへの指導・教育を同時に行うことで、「ファンの皆様及び関係先各位からの信頼を取り戻してまいりたい」とした。
こうした吉本の「対応方針」は、松本さんの性的スキャンダル報道を受けたものとしてマスコミ各社が報じたが、そもそも今回の発表でなぜ松本さんの名前が出ず、「当社所属タレント」とされているのかとX上で指摘が出た。
その理由についても、リプライなどを通じて、様々な憶測が流れている。
「表現は、松本のみを指している趣旨ではございません」
吉本の発表では、「当社所属タレントら」と複数の人を指す表現もあったことから、松本さんの名前を出さなかったのは、松本さんに女性をアテンドしたとされた吉本所属の芸人なども含まれているからではないかとの推測もされた。
また、松本さんについては、吉本が顧問弁護士を立てて前面で争わず、松本さん個人で訴訟を起こしていることから、吉本が「少しずつ距離を置いているように見える」の見方があった。「会社としては組織を守りたいのだろう」「ジャニーズ問題と似た流れになっていくのか」といった声も出ていた。
松本さんの名前を出さなかったことについて、吉本興業ホールディングスの広報室は1月24日、J-CASTニュースの取材に対し、「『当社所属タレント』との表現は、松本のみを指している趣旨ではございません」とメールで説明した。これは、松本さんに女性をアテンドしたとされた吉本所属芸人なども含んでいることを指すとみられる。
ガバナンス委員会からの指摘などを受けて松本さんと距離を取るようにしたかどうかなどについては、「係争中の訴訟に関する内容かと存じますので、回答致しかねます」と述べた。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)