なぜ暗号資産詐欺が急増? 「絶対儲かる」「AIが保証する」SNS、身近な友人の甘~い誘い...だましのカラクリとは

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儲かっているように画像で見せているだけ?

   このような、詐欺的なもうけ話。どれくらいの相談が寄せられているか。身を守るにはどうしたらいいか。J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を行なった国民生活センター相談情報部の渡辺優一さん(金融担当)に話を聞いた。

――どのくらいの相談がきているのですか。

渡辺優一さん 2021年度に6381件、2022年度に5623件、2023年度(2024年1月24日現在)に5614件と、コンスタントに5000~6000件あります。

――けっこう多い印象ですね。手口の1つとして、SNSなどで知り合った相手から暗号資産の取引を勧められるパターンがありますが、見知らぬ相手をすぐに信用してだまされることが理解できません。

渡辺優一さん まず1つには、SNS上で「インフルエンサー」と呼ばれる人たちが紹介しているのを見て、簡単に信じ込んでしまうことが多いようです。たとえ著名人が勧めていても、安易に信じてはいけません。

もう1つ多いのは、相手と頻繁にやりとりするうちに親近感を抱いて信じ込むケースです。日常のたわいもない話や、「仕事きつくて。もう少しお金があったらなあ」などと仕事の悩みを打ち明けたりすると、「それなら、いい儲け話がある」と暗号資産を勧めてきます。お金がほしくない人はいませんから、つい話にのってしまうのです。

――「待ってました!」とばかりに、罠を仕掛けてくるわけですね。

渡辺優一さん はい。相手もお金の話に誘導することを狙っています。たとえば2021年に、画像投稿のSNSで知り合った「外国人女性」から、合計約500万円をだましとられた50代男性のケースが典型的です。

無料通話アプリのIDを交換、頻繁に連絡し合っていました。ただし、相手が本当に女性かどうかはわかりません。画像なんかいくらでも細工ができますから。

――たしかに、そうですね。

渡辺優一さん この50代男性のケースは、暗号資産への投資で儲けられると勧められ、指示に従って、国内の暗号資産交換業者に自身の口座を開設、330万円を入金しました。すると、どんどん利益が出ました。
ところが、です。これだってアプリ内の画像の数字を見ているだけで、本当に利益が出ているのか、そもそも本当に取引が行われているのかどうか、わかったものではありません。

利益が出たので引き出したいと「女性」に伝えると、税金や保証金を立て続けに請求され、さらに170万円を支払いました。それでも出金してもらえない。最後に、手数料として50万円を要求された段階で「おかしい」と思い、消費生活センターに相談に来ました。「女性」とはその後、連絡が取れなくなりました。
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