2024年、女性は働きやすくなるのか? 「なると思う」女性4割 さらなる前進への決め手は「家周りの仕事の負担減」

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   女性活躍推進法が2016年4月に施行されてから8年あまり。女性は働きやすくなったのだろうか。

   働く主婦・主夫層のホンネ調査機関「しゅふJOB総研」(東京都新宿区)が2024年1月17日に発表した「2024年予測 女性は働きやすくなるのか」という調査によると、「働きやすくなると思う」という女性が4割を超えた。

   一方で、2023年は働きやすくなった実感がないという人も7割を超えた。女性たちの「働きやすさ」の現在地はどこか。専門家に聞いた。

  • 女性は働きやすくなったか(写真はイメージ)
    女性は働きやすくなったか(写真はイメージ)
  • (図表1)前年より「女性が働きやすくなった」という実感の有無:直近の3年間比較(しゅふJOB総研作成)
    (図表1)前年より「女性が働きやすくなった」という実感の有無:直近の3年間比較(しゅふJOB総研作成)
  • (図表2)2024年予測「女性が働きやすくなる」と思うか?(しゅふJOB総研作成)
    (図表2)2024年予測「女性が働きやすくなる」と思うか?(しゅふJOB総研作成)
  • (図表3)2024年は女性が働きやすくなると思うか?:2023年の実感の有無と比較(しゅふJOB総研作成)
    (図表3)2024年は女性が働きやすくなると思うか?:2023年の実感の有無と比較(しゅふJOB総研作成)
  • 女性は働きやすくなったか(写真はイメージ)
  • (図表1)前年より「女性が働きやすくなった」という実感の有無:直近の3年間比較(しゅふJOB総研作成)
  • (図表2)2024年予測「女性が働きやすくなる」と思うか?(しゅふJOB総研作成)
  • (図表3)2024年は女性が働きやすくなると思うか?:2023年の実感の有無と比較(しゅふJOB総研作成)

「出産しても、社会と断絶されることなく働き続けたい」

   しゅふJOB総研の調査(2023年11月15日~22日)は、就労意欲がある主婦層587人が対象となっている。

   まず、2023年を振り返り、「女性が働きやすくなった実感」があるかを聞くと、「ある」と答えたのは3割以下(29.6%)で、「ない」が7割以上(70.4%)だった。

   これを直近の3年間で比較すると、「ある」と答えた女性は2021年には22.1%だったから、3年間に「女性が働きやすくなった」と感じる人が少しずつ増えている【図表1】。

   また、2024年を予測して「女性が働きやすくなると思うか」を聞くと、「思う」が43.8%、「思わない」が56.2%と、ネガティブな見方の人のほうが多かった【図表2】。

   ただし、この質問も直近の3年間を比較すると、「前年より働きやすくなると思う」という人が、2022年の40.2%から2024年の43.8%へと、徐々にではあるが増えている結果が出た。

   興味深いのは、2024年予測の「働きやすくなると思うか」という質問の結果だ。というのも、2023年に働きやすくなった「実感がある・なし」別に比較すると、大きな違いが出ているのだ。

   すなわち、「働きやすくなる」と答えた人は、「実感がある」人では72.4%だったのに対し、「実感がない」人では31.7%だけだった【図表3】。

   もっとも、フリーコメントをみると、「2024年は女性が働きやすくなる」というポジティブ思考の意見はほとんどなく、目についたのは次の1つだけ。

「家庭に軸を置きながら、働くことを認めてくれる社会になってきていると思う。私も今、完全在宅でシステム開発をやらせてもらっているが、すごく働きやすいです。こういう仕事を許してくれる会社が増えれば安心です」(40代:フリー/自営業)

   これに対して、大半がネガティブ思考の意見ばかりだった。

「年齢と性差別。特に年齢によって職種が選べない。清掃や警備しかないとか」(50代:契約社員)
「本当は出産しても社会と断絶されることなく働き続けたいです。正直、家庭内のケアと稼ぎ手の両立は無理ゲーだと思いますし、みんなすり減りながら頑張っています」(30代:今は働いていない)
「仕事も家事も育児もバリバリ1人でこなせる女性は、ごく一部であって、夫や親や外注に頼ったうえで全てこなせている人、何にも頼れず仕事を絞るか、仕事を絞らずに子どもや自分に負担をかけ続けるか、という選択肢しかない人もいる」(40代:派遣社員)
「保育所に入れない⇒職が決まらない⇒保育所に入れない。無限ループなのですが...」(30代:フリー/自営業)
「企業は、名ばかりの女性管理職を増やしているが、呼称ばかりで、機能していない管理職も多く、男性管理職の負担が重くなっていることを問題視してほしい」(60代:今は働いていない)
「もう少し在宅の仕事や短時間でできる仕事が増えてほしい。外でバリバリに働ける人もいるが、介護などで動けない家庭もある。フルタイムばかり多すぎて仕事ができない」(40代:今は働いていない)
「時短正社員の仕事がほとんどない。リモートワーク可能な仕事が激減していて選択肢が少ない。これらのことから、女性にとって豊富な選択肢の中から仕事を選べる環境ではないと考えている」(40代:フリー/自営業)
「日本は優秀な女性が多く家庭内で生活しています。すごく頑張らないと仕事と家庭を両立できない社会ではなく、家庭を大事にしながらも気楽に働ける社会になってほしい」(50代:今は働いていない)

   こういった意見が相次いだ。

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