社会学者の古市憲寿氏が2024年1月22日、23年10月から始まったインボイス(適格請求書)制度に関する不満をX(旧ツイッター)で吐露した。その中で、自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる問題について意外な「仮説」を提示した。
「今、このタイミングで政治資金の問題が炎上しているのは......」
古市氏は22日、自身のXを更新し、インボイス制度について「ひどい仕組みですね。色々とイラッとしている人も多いと思いますが、僕もその一人です」と不満を明かした。
前提として「僕はインボイスの理念自体には反対じゃないんです。課税の公平性や適正性という方向性は決して間違っていないと思います」と説明しつつも、「インボイスは、実際の運用形式があまりにも時代に合ってない」と主張した。
制度の導入に伴って細かい対応が増えたことで「この数ヶ月で紙の経理書類に翻弄される時間が明らかに増えたという人は多いと思います」とし、「しかもこの時間って、経済には大してプラスの影響を与えていない」との見解を述べた。
その上で、次のような「仮説」を提示した。
「政治家の人がどれくらい気が付いているか知りませんが、今、このタイミングで政治資金の問題が炎上しているのは、このインボイスの施行とは無縁ではないというのが僕の仮説です」
古市氏は「マスコミ関係者ほど、インボイスの影響をダイレクトに受けた人が多いから」とした上で、「個人事業主扱いの芸能人だったり、現場のスタッフだったり、『自分たちはお金に関してこんなに面倒になったのに、政治家はルーズだ』って直接的な怒りにつながりますからね」と説明している。
「目前の欲求に負けてぐだらん裏金とか作るような奴らが作ったルールがうまく回るわけない」
古市氏の主張に対し、複数の著名人も反応している。
メンタリストのDaiGoさんは同日、「目前の欲求に負けてぐだらん裏金とか作るような奴らが作ったルールがうまく回るわけないよね。アホがルールを作っては行けない法律を作った方がいいと思うわ」と、古市氏の投稿を引用しながらコメントした。
マーケティングコンサルタントの永江一石氏も「すべて10%にしてしまえばいいのにいろんな風にいい顔するからこうなっちゃう」と反応した。
アニメ「忍ばない!クリプトニンジャ咲耶」を手掛けるイケダハヤト氏は、「インボイスはほんとに、日本法人を作ることを躊躇わせる理由のひとつになってるレベル。こんなんやってたら、海外にどんどん起業家流れますわ。廃止までは言わないけど、やり方を見直してほしいですね」などとつづった。
漫画家でYouTuberのピョコタンさんは、「インボイス制度はマジでクソ。インボイス関連で増えた事務手続きの時間を国民全体で換算したら、とんでもない規模の損失になってる。国民の貴重な時間と労働力を奪って足を引っ張りまくってる自滅システム。頭が悪すぎる」と怒りを示した。
インボイス制度が始まって数ヶ月が経ちますが、ひどい仕組みですね。色々とイラッとしている人も多いと思いますが、僕もその一人です。…
— 古市憲寿 (@poe1985) January 22, 2024