横浜DeNAベイスターズから自由契約となったトレバー・バウアー投手について、日本で過失運転致死傷の罪により実刑判決となった米海軍に所属していた男性が移送先のアメリカで仮釈放されたことを受け、SNS上で「おかえり」とコメントを寄せ、物議を呼んでいる、と一部メディアが報じた。
バウアー投手は2024年1月21日、過去に投稿したYouTube動画のコメント欄で、「日本国民や愛する人を失った家族に苦痛を与えるつもりは全くありませんでした」などと謝罪している。
「ガッカリ」「人として最低」
各社報道によると、発端となった事故は21年5月、静岡・富士宮で車が駐車場に突っ込み、2人が亡くなった。車を運転していた米海軍のリッジ・アルコニス受刑者は過失運転致死傷の罪で禁錮3年の実刑判決となり、22年7月に収容されたという。
受刑者をめぐっては米連邦議会の一部議員が不当な拘束として本国への移送を求めていたとされ、23年12月に米刑務所へ移送された後、24年1月12日に仮釈放されたと現地メディアが報じた。
受刑者の移送を求めて活動したインスタグラムアカウント(@bringridgehome)が同日、仮釈放を報告しつつ家族との再会を写真で伝えたところ、バウアー投手が「Welcome home Ridge!(おかえり、リッジ!)」とコメントしたという。
X(旧ツイッター)上では、「これにはガッカリ。憤りすら感じる」「人として最低だしありえない」「日本人が2人亡くなってるんだぞ」などの批判が広がる事態になった。22日昼時点でバウアー投手のコメントは確認できず、削除されたとみられる。
「子供たちを少しでも明るくする手助けをしてほしいと頼まれました」
バウアー投手は、23年12月に投稿した動画のコメント欄で謝罪に至った。友人に翻訳を手伝ってもらったと英語で説明した上で、「日本の皆さんが傷ついた理由が分かります。起こった事故は恐ろしい悲劇であり、私の心は命を落とされてしまった日本人のご家族と共にあります。彼らは罪のない犠牲者です」と日本語で切り出した。
続けて、「数年前、突然父親が居なくなったことを悲しんでいたリッジの子供たちを少しでも明るくする手助けをしてほしいと頼まれました。彼らはドジャースのファンで、その時に動画を送りました」と関係を告白。
「この事件とその後の出来事に関するメディアの報道は、日米で大きく異なるようですが、ともかく、私のコメントが無神経に映ったことは理解しております」としながら、「おかえりなさいと言ったのは、ただお父さんが恋しい子供たちの気持ちになって考えたからです」と真意を説明。
バウアー投手は、「日本国民や愛する人を失った家族に苦痛を与えるつもりは全くありませんでした。深くお詫び申し上げます」と謝罪し、「私は日本で素晴らしい時間を過ごした。人々とこの国を心から愛している」と締めた。
謝罪をめぐって、Xでは、「ここがちょうどいい落とし頃なのでは?バウアーにもバウアーなりの背景があってあのようなコメントしたって書かれてるし」「バウアーが事故を起こした訳じゃないし。謝罪もきちんとしてるし、あんまり叩くのやめようよ」といった声が上がった一方、「謝りゃいいって話でもない。善悪の判断が自分で付けれなかったことも問題なんだよ」「謝罪するなら、コメント欄じゃ無く、動画にすれば良い」などと賛否が分かれている。