共産党除名の松竹伸幸氏、撤回求め党の提訴発表 浴びた批判は「証拠示さず名誉毀損、人格攻撃、パワハラ」

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   共産党から規約上最も重い「除名」の処分を受け、2024年1月の党大会で再審査を求めていた松竹伸幸氏(68)が1月22日に記者会見し、除名撤回を求めて共産党を3月上旬に提訴すると発表した。

   共産党は党大会で松竹氏の請求を却下。松竹氏は約800人いる大会代議員による議論を求めていた。だが、審査は21人の大会幹部団が行い、代議員には松竹氏の再審査請求書が配られず、結果の「報告」にとどまった点を問題視している。

  • 記者会見する元共産党員の松竹伸幸氏。24年1月に行われる党大会で除名処分について再審査を求めていた
    記者会見する元共産党員の松竹伸幸氏。24年1月に行われる党大会で除名処分について再審査を求めていた
  • 松竹氏には3人の弁護士がつく。そのうち2人が記者会見に出席した
    松竹氏には3人の弁護士がつく。そのうち2人が記者会見に出席した
  • 記者会見する元共産党員の松竹伸幸氏。24年1月に行われる党大会で除名処分について再審査を求めていた
  • 松竹氏には3人の弁護士がつく。そのうち2人が記者会見に出席した

名誉毀損による損害賠償請求も「十分な検討の余地」

   松竹氏は、共産党側から「(松竹氏が)権力と結託している」いった批判を受けているとして、これが

「ただただ何の証拠も示さずに、私に対する名誉毀損、人格攻撃、パワハラといえばパワハラ」

だと主張。

「他の除名事件と違って、私を党に戻さない、党から放逐するということと、私に対して名誉毀損、人格攻撃、パワハラをするということが一体となって、本日、この日を迎えている」
「新しい問題として、新しい判例を作り出すという決意で、この裁判には臨みたい」

などと話した。

   具体的な訴えの内容は今後詰めるが、会見に同席した平裕介弁護士によると「地位確認と損害賠償請求については、確実に起こす」。伊藤建弁護士は、名誉毀損をめぐる損害賠償請求について「実際にやった行為よりも少し大きく表現されている部分があるので、そのあたりについて十分な検討の余地がある」とした。

田村氏の発言は「本当にパワハラという言葉だけでは言い表せない、非常に重大な問題」

   1月15日から18日にかけて行われた党大会の終盤、田村智子副委員長が委員長に選出された。女性がトップに就くのは初めてだが、早くも松竹氏をめぐる対応が波紋を広げている。16日の討論では、神奈川県の大山奈々子県議団長が除名処分に異論を唱えたのに対し、田村智子副委員長が18日の党大会結語の討論で、大山氏の異論は党外の声が根拠になっていることを挙げて

「あまりにも党員としての主体性、誠実さを欠く発言」

などと批判。田村氏はこの発言の後に委員長に選出されたが、多くの党員の前で異論を面罵したことについて「パワハラ」だとする批判が出ていた。ただ、小池晃書記局長は1月19日の記者会見で、「『叱責』ではなく発言内容への批判。発言者の人格を傷つけるようなものではない」として、パワハラだとの見方を否定していた。

   松竹氏はこの問題について、次のように述べた。

「大会代議員の前で、ああやって批判されるというだけでも大変な精神的な抑圧だが、今回はユーチューブで党が公開している。全国の党員も見るし、国民も見るし。そういうことが分かっていて、ああいうやり方をするということは、本当にパワハラという言葉だけでは言い表せない、非常に重大な問題。それだけ党内での異論が広がっている」

   政党と党員をめぐる判例としては、いわゆる「共産党袴田事件」の最高裁判決(1988年)が知られている。共産党が、除名した党員が住んでいた党所有家屋の明け渡しを求めて起こした訴訟で、

「政党が党員に対してした処分は、一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り、裁判所の審判権が及ばない」

などとして、元党員側が敗訴している。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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