東京都区部より高収入!全国過疎地の「富豪町村」から学ぶ 所得を上げて豊かに生きるヒント

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過疎地=没落イメージを吹き飛ばす農業パワー

――コメ作り以外の農業とはどういうことですか。

熊野さん 農業というと、「落日の産業」というイメージがありますが、それは違います。政府の補助金やJAに依存してきたコメづくりはそうかもしれませんが、野菜作りなどは今、活気に満ちています。

農業ジャーナリストの山口亮子さんが今年(2024年)1月、『日本一の農業県はどこか~農業の通信簿~』(新潮選書)という本を出しました。山口さんは、各都道府県の農業算出額を農業関連予算で割ることで、「コストパフォーマンス」(コスパ)を算出し、それをランキングしたのです。つまり、補助金などに頼らず、アイデアと企業努力で農産物を作る地域が上位にいくランキングです。

「コスパ1位」の最強の農業県はどこか。面白いのは都道府県魅力度ランキングの下位常連組が最強グループを作っていること。1位群馬県、2位茨城県、3位栃木県の北関東勢。レタスやキャベツなどを作っている地域です。北海道は全体では12位ですが、コメ作りをしている町村も多いので、野菜だけの町村に絞れば、もっと上位に入ったでしょう。

――農業のパワーは、意外にスゴイのですね。

熊野さん そのとおりです。人口減少=過疎地というと没落のイメージに引きずられてしまいがちですが、大変な間違いです。人口が減っても年収を増やすことは可能です。経済学では、狭い地域で需要と供給が完結する「内需型経済」と、需要と供給が広がりを持つ「広域型経済」の2つがありますが、農業は農産物を域外の大都会に輸出する点で「広域型経済」なのです。

これは、工業製品を海外に輸出する製造業と全く同じ。だから、過疎地でも努力と工夫次第で、大いに年収を稼ぐことができるのです。同様に観光業も、域外から観光客を輸入するという点では、「広域型経済」と言えます。だから、観光や保養地がメインの町村は高い年収を得ることが可能です。
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