芸能人による「年の差婚」が、相次いだ。ももいろクローバーZの百田夏菜子さん(29歳)とKinKi Kidsのメンバー・堂本剛さん(44歳)は、15歳差。お笑いコンビ「ハライチ」の岩井勇気さんは37歳で、18歳年下の女性と結婚した。
年齢が離れた夫婦は、なにも芸能界に限らない。ただ一般社会で、仮に15歳差の夫婦いずれも仕事を持っていたとしたら、一方が40代の働き盛りでもう一方が定年を迎える計算だ。子育てや年金、介護といったライフイベントにも影響が出てきそう。年の差婚で起こりうる問題について、特に「お金」の面から取材した。
定年後も返済が続く可能性考える
資産運用を学べる総合マネースクール「ファイナンシャルアカデミー」に、以下の条件で、ライフイベントで発生するお金の問題を試算してもらった。
男性:42歳、会社員、年収500万円。貯金は300万円ほど
女性:28歳、会社員、年収350万円。貯金は300万円ほど
まずは、人生の中で大きな購入物であり、ローンの支払いが長くなりがちなのが住宅購入だ。仮に3500万円のマンションを20年、変動金利0.5%(元利均等、ボーナス払いなし)でローンを組んで購入した場合、月々の返済は約15万3000円となる。
「定年後も返済が続く可能性を考えていくと、子どもが欲しいかどうかについては早めに夫婦で話し合いをすることが大事です。年の差婚ということは、将来『給与は妻の収入のみ』という時期がきます。そのときのために事前に色々とシミュレーションしておきましょう」
と、ファイナンシャルアカデミーの小野原薫講師はアドバイスした。
ローンの組み方については「現在、住宅ローン完済時の年齢は、80歳未満であることが一般的です」と指摘。「42歳という年齢を考えて、定年前の62歳で完済をするために20年での返済を検討されたのかもしれませんが、もう少し働いて、ローン返済を25年にすれば月々の返済は約12万5000円、30年だと約10万5000円になります」と述べた。
夫婦で「老後」のスタート時期が全く違う
次に、老後に向けた資産形成の考え方。小野原講師は「時には海外旅行に行ったりと、豊かな生活を実現するのであれば3000~6000万円必要だというデータもあります」という。
また、夫婦で「老後」のスタート時期が全く違うことになる。そこで、(1)日頃から健康に気をつけて、夫はなるべく長く働く、(2)いずれは妻の扶養に入ることを検討するなど、さまざまなパターンで10年後、20年後、30年後をシミュレーションしておくことも大事とのこと。
保険料について「夫の方の年齢が高い場合、病気や介護なども含め、万が一のことがあった場合を心配する方が多いように思いますが、過剰に保険に入りすぎるのも要注意です。使える社会保障を確認して、日々の生活に支障が無いようにしましょう。」と説明した。
最後に、「仮に、金利年0.02%の定期預金でいまの貯蓄600万円とは別に23年で3000万円を用意しようと思うと、毎月10万8000円の積立てが必要ですが、資産運用を活用して、年6%でも運用ができると、毎月5万600円の積立てで済みます。
時間を味方にしながら資産形成をするためにも、なるべく早くから資産運用を活用できると、より負担を軽くしていくことができます」と述べた。