能登半島地震後の「インプレゾンビ」に非難の声 Xの課題と活用方法、災害情報の発信で浮き彫りに

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   2024年1月1日、石川県能登半島で最大震度7を観測する地震が発生しました。地震の状況に際して、X(Twitter)上では連日のように震災に関する情報が発信され、状況を把握するため多くの人が利用したのではないかと思います。また、被災した人による現地の様子の生々しいレポートや、Xというサービスの災害時の役割に関する議論など、さまざまな角度の話題が注目を集めています。

   ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)が解説する「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド【J-CAST出張版】」、今回は「災害時のX(Twitter)」について掘り下げます。

  • 写真はイメージ
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  • 被災地で活動する自衛隊。防衛省・自衛隊のX(@ModJapan_jp)より
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NHKアナウンサーが「強い口調」で避難を叫ぶ理由は

   能登半島地震が発生した元日16時過ぎ、Xでは地震に関連するキーワードと共に「NHKのアナウンサー」がトレンド入りしました。

   これは地震発生直後にNHKの緊急地震速報で、アナウンサーが「あなたに命の危険が迫っています」などと平時のニュースと比べて大きな声と強い口調で避難を呼びかけたことに対し、Xの多くのユーザーが反応したものと考えられます。

   こうしたNHKアナウンサーによる伝え方について、X上では理解を示すコメントが相次ぎました。「津波による被害を増やさない為の緊迫感が伝わる素晴らしいアナウンス」「民放も見てみたけど、NHKが緊急事態であることを一番アピールしている。切迫感がある」などと称賛が多く見られました。

「NHKのアナウンサーは意図的に絶叫している」避難の呼びかけが強い口調なのは、緊急地震速報が不快な音なのと同じ理由 - Togetter

   NHK報道のデジタル担当を務める足立義則さんは自身のXアカウントで、「NHKのアナウンサーの強い口調、命令口調には理由があります」というコメントと共に、2021年にNHKのスタッフが書いたnoteの記事を投稿しました。記事には2011年3月11日の東日本大震災での教訓から、NHKのアナウンサーたちが災害時に叫ぶような声で報道するようになるまでの経緯が書かれています。

   この投稿に対して、「NHKアナウンサーの強い呼びかけ、ここまで深く考えられてのことだったか」と納得する声も複数見られました。

「いつもの寝正月」から一変...被災者が伝えるリアルな5日間

   能登半島地震において、Xには被災した人々によるリアルな体験談も数多く集まりました。石川県能登町に帰省していたところ被災したあるユーザーは、元日から5日間の避難生活を詳しく投稿し、注目を集めました。

   そのユーザーは家族5人と過ごしていた際に被災。当時の状況を「テレビの音をかき消すような轟音が聞こえ、家が揺れ始めた」と書いています。その後、家族の無事を確認したうえで、避難生活に奔走する日々が始まりました。

帰省中に被災した人が伝える、能登のリアルな5日間「テレビの音をかき消すような轟音が聞こえ、家が揺れ始めた」 - Togetter

   投稿されたレポートには、地震発生の翌日には地元の自治会で炊き出しが行われ「久しぶりの温かいご飯で涙が出た」ことや、停電やネット不通という環境で偶然にもつながったワンセグTVで被害情報を知ることができたことなど、リアルな状況が仔細に記されています。

   Xでは、こうした被災者による体験や震災の状況を伝えるレポートが数多く投稿されています。緊迫した状況下で何が起きたか、何が役に立ったかといった当事者のリアルな体験談を知っておくことで、いざという時に役に立つかもしれません。

「API制限」「インプレゾンビ」...震災で顕在化したXの問題

   Xは、災害情報を世間へ伝える手段として活用されている一方、そのサービスの内容についてユーザーの不満を買ってしまうこともあります。今回の震災では特に、「API制限」と「インプレゾンビ」によって災害時に必要な情報の共有が阻害されているという声が多く見られました。

この災害時にAPI制限やリプライゾンビが複数観測されていて本当になんとかして欲しい→国産SNSを作るか日本がTwitterを買収するかの時が来たのでは - Togetter

   「API制限」とは、X社に対して支払うAPI使用の利用料に応じて投稿回数などが制限される仕組みです。これにより、日頃Xで防災情報を提供しているサービス「特務機関NERV」のアカウントが制限を受けて一時的にポストができず、同アカウントからの情報を頼りにしていたXユーザーの不満を買うことに。

   「インプレゾンビ」はXで拡散されている投稿に対して無意味なリプライを送る迷惑行為や、それを行うアカウントを指す言葉です。2023年にX社が投稿のインプレッション(閲覧数)に応じて広告収益が発生する仕組みを導入したことを機に発生するようになった問題で、今回の災害でも国や自治体による警報といった緊急性の高い投稿に対しインプレゾンビの無意味な投稿が多数見られ、Xユーザーから非難されるケースがありました。

   どちらも、2023年に行われたXのサービス内容を大幅に変更したことで生まれた現象ということも相まって、今回の災害では特に不満点として挙げる人が多かった様子です。

   地震大国といわれる日本において、Xに「情報インフラ的な役割」を求める声は数多くあります。一方で、Xはアメリカの一企業が運営するサービスであり「役割を求めすぎている」という声も少なくなく、災害時のX活用については今後も議論の種になりそうです。

   以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド【J-CAST出張版】」でした。今回紹介したTogetterまとめを振り返りたい方はこちらからどうぞ。次回もお楽しみに。

【まとめ一覧】

「NHKのアナウンサーは意図的に絶叫している」避難の呼びかけが強い口調なのは、緊急地震速報が不快な音なのと同じ理由 - Togetter

帰省中に被災した人が伝える、能登のリアルな5日間「テレビの音をかき消すような轟音が聞こえ、家が揺れ始めた」 - Togetter

この災害時にAPI制限やリプライゾンビが複数観測されていて本当になんとかして欲しい→国産SNSを作るか日本がTwitterを買収するかの時が来たのでは - Togetter

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