善光寺が修繕費をクラウドファンディングで募る 国立科学博物館は9億円集めた

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   長野県の観光名所・善光寺が、明治天皇に由来ある茶室「沈香亭(ちんこうてい)」の屋根修繕費用のクラウドファンディング(CF)を2023年12月20日から行っている。第一目標金額は1000万円。歴史ある茶室の知名度向上と、寺の本堂以外の部分である善光寺本坊大勧進を観光客に知ってもらう目的だ。

   最近では2023年11月、東京・国立科学博物館が支援者5万6000人、総額9億1600万円ほどの調達に成功。こうした団体が資金を集める手段として、主流になっていくのか。識者に聞いた。

  • 長野・善光寺
    長野・善光寺
  • クラウドファンディングの市場が広がっている
    クラウドファンディングの市場が広がっている
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  • クラウドファンディングの市場が広がっている

「建物を後世に残していくための手段に」

   茶室「沈香亭(ちんこうてい)」は、1878年に訪問した明治天皇によって命名された。屋根は杮(こけら)葺きという伝統的な手法で作られているが、現代では材料や職人数が減少しているという。

   善光寺の関係者に取材した。最近は、寺への寄進が減っているようだ。「CFという初めての取り組みを、暗中模索の状態で始めました。善光寺として新しい挑戦ですが、次世代にも善光寺や沈香亭について知ってもらい、屋根の修繕工事によって建物を後世に残していくための手段になれば」と話した。

   1月19日時点では、残り日数32日で目標額1000万円のうち、644万1000円が集まった。支援者は258人となっている。

   善光寺が使用しているCFプラットフォームは、「READYFOR」だ。ほかに、高知県の桂浜水族館が動物舎の更新工事費用を集めるプロジェクトや、先述した国立科学博物館のプロジェクトなど、公益が目的の団体によるものが見られる。

「緊急支援型」寄付が活発化

   CFや寄付に詳しい、日本ファンドレイジング協会事務局長の宮下真美氏を取材した。日本での寄付型CFについて、「2011年3月の東日本大震災が大きな契機になった」と話す。震災復興支援という形で多くの寄付型プロジェクトがCFプラットフォームで立ち上がり、金額を達成した団体がいくつもあったと語った。

   現在のCF市場は、全体で2000億円規模だという。近年ではコロナ禍のなか、医療従事者にマスクを届けるプロジェクトや、福岡県北九州市でホームレスを支援するプロジェクトが1億円以上を達成したと宮下氏。コロナ禍で、「緊急的に文化財保護や博物館への支援という公益団体への寄付が活発になり、参入も増えてきた」と話した。

   宮下氏は、今後は緊急支援的に資金を集めるCFから、長期間に渡って資金面で活動を支えてもらう継続型の支援につなげられるかが課題だと指摘。一方で、支援者自身が手数料を負担して寄付金が相手に届きやすいCFも増えてきていると説明した。

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