家電量販店大手「ビックカメラ」の有楽町店(東京都千代田区)で、「DVD/ブルーレイソフト取り扱い終了のお知らせ」が掲示されたと、X(旧ツイッター)上で写真の投稿があった。
映画などの有料配信サービスが広がる中で、DVDやブルーレイディスク(BD)などの円盤は終わるのではないかと話題になっている。ただ、円盤にもメリットがあると支持する声も根強い。どんな事情があったのか、ビックカメラに話を聞いた。
「いよいよ終わりの始まりか?」
この掲示では、「諸般の事情」から、2024年1月14日の日曜日をもって、店でのDVDなどの取り扱いを終了すると告知してあった。
「お客様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます」と続き、終了後は、DVDなどの予約や取り寄せができないともされていた。
掲示を撮った写真は、17日にX上で投稿され、大きな話題になった。5000件以上リポストされており、写真が拡散している。
取り扱い終了の理由について、X上では、「通販で買う人が多いからかな」「配信大勝利ってことですかね」などと推測する声が出る一方、「いよいよ終わりの始まりか?」「円盤コレクション派なので悲しい」と寂しがる声が出た。インターネット配信になると配信元の事情によって映画などが見られなくなる、好きな作品は円盤として保存しておきたい、などとして、DVDなどの販売存続を望む声も多かった。
今回の掲示について、ビックカメラの広報担当者は19日、J-CASTニュースの取材に対し、「有楽町店でのDVD/BDソフトの店頭販売は1/14(日)を以て、インターネット通販サイト『ビックカメラ・ドットコム』に移管いたしました」とメールの回答で説明した。
なぜ取り扱いを終了したのかについては、「店舗の取扱い商品見直しの一環となります」と答えた。ビックカメラの他店舗ではどうなのかについては、「取扱い商品や売場展開の見直しは日々行っており、同様の店舗も一部ございます」と明かした。
ビデオソフトの売り上げは、04年から18年間で3分の1ほどに
ビックカメラ・ドットコムでは今後どうするのかについては、「取扱い継続して参ります。今後もお客様により便利に使って頂けるサイトを目指し、日々取扱い商品の増強に取り組んでおります」と述べた。
DVDやBDのソフト売り場については、ヨドバシカメラでも縮小傾向にある、との指摘も一部で出ている。
この点について、ヨドバシカメラの広報担当者は1月19日、取材に次のように説明した。
「店舗を改装して売り場を移動した結果、売り場が狭くなることはありえますが、DVDソフトなどの売り場を縮小していることはありません。今後については、何ともお答えできません」
ネット通販をどうするのかについては、こう答えた。
「配信のダウンロードは確かに増えてきていますが、通販も変わらずにやっていきます。ネットを便利に使う方もいらっしゃいますし、ネットが苦手で店に買いに来られる方もいらっしゃいます」
日本映像ソフト協会がサイトで発表した統計によると、国内全体の市場は、縮小し続けている。
DVDなどのビデオソフトの売り上げは、04年の約3754億円をピークに年々減少し、22年の速報値は約1148億円と、3分の1ほどになっている。その一方で、定額見放題を中心にした有料配信は22年、レンタルなどを含めた映像ソフト市場の推計値約7746億円のうち約5504億円を占め、シェアが7割に達したことが分かった。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)