プロ野球前DeNAのトレバー・バウアー投手(33)の去就に注目が集まっている。複数の米メディアの報道によると、バウアーは大リーグ復帰を目指しているが2024年1月17日時点で所属先が決定しておらず日本球界残留の可能性もある。残留ならどの球団が候補に挙がるのか。元楽天ヘッドで巨人、西武などでコーチを歴任した橋上秀樹氏(58)はJ-CASTニュースの取材に、有力候補として2つの球団を挙げた。
「間違いなく高額年俸がネックになる」
バウアーは大リーグのシンシナティ・レッズ、ロサンゼルス・ドジャースなどを経て23年3月にDeNAに移籍。昨季は5月に1軍デビューし19試合に先発して10勝をマーク。防御率2.76と安定感のある投球で2度の完投を記録。8月30日の阪神戦で右足を負傷し出場選手登録を抹消され、これが最後の登板となった。
現在米国に在住しているバウアーは現地メディアの取材に対して大リーグ復帰を望んでいることを明かしている。ただ現時点で大リーグ球団との契約発表はなく、日本残留の可能性も出てきた。
このような状況の中、橋上氏は「昨年あれだけの活躍をしましたのでどの球団も欲しいと思いますが、間違いなく高額年俸がネックになるので取れる球団はある程度絞られる」とし、有力候補としてDeNAとオリックスを挙げた。
候補に挙げた理由は、両球団共にポスティングによる譲渡金が入ったことだという。昨オフ、DeNAは今永昇太投手(30)、オリックスは山本由伸投手(25)がポスティングシステムを利用して大リーグ球団に移籍。その際、数十億円規模の譲渡金がそれぞれの球団に支払われたとみられる。
「資金的にいえばソフトバンクも出せるとは思うが...」
橋上氏は「バウアー投手の年俸は恐らく10億円くらいになると予想される。そうなると現実的にこの年俸を出せる球団はこの2つになるでしょう。資金的にいえばソフトバンクも出せるとは思いますが、山川(穂高)選手のFA移籍、人的補償を巡る一連のゴタゴタが尾を引いているので、このタイミングで高額年俸のバウアー投手を取りに行くことは考えにくい。そうなるとDeNA残留かオリックスの2択になると思います」との見解を示した。
さらに「DeNA、オリックスともにエースが抜けたのでそれに代わるだけのピッチャーとなるとバウアー投手になる。昨年の活躍を見ると十分に穴を埋めることができるだけの力は持っている。加えてバウアー投手のユーチューブなどの発信力は、球団の価値を高めるという点で大きなメリットがある。トレーニングや最新の機器を導入しての調整などは若い選手に良い影響を与えると思います」とバウアーの付加価値を高く評価した。
バウアーは昨年10月に報道陣の取材に応じ、来季の契約で重視したい3つの条件として「優勝を狙える球団かどうか」「個人タイトルを狙わせてくれるか」「どれだけファンを喜ばせることができるか」と挙げていた。大リーグ復帰を含め今後の動向の注目が集まる。