「賃上げだ 俺の給与と お小遣い」
20代女性によるこの川柳は、「2024年の理想の働き方」をテーマにした「Job川柳」応募全324作品の中から、最優秀賞に輝いたもの。キャリアや就職・転職に特化した匿名相談サービス「JobQ」を開発・運営するライボ(東京・渋谷)の調査機関「Job総研」が実施した。受賞作品は、6つ。選外になった中にも、注目作があったようだ。
選評を見ると
最優秀賞選出の選評は、次のとおり。「『賃上げだ』という表現によりそれに奮闘する様子を映し出しており、働く社会人がこの社会情勢に立ち向かう強い意欲を感じさせる句となった。応募作品の中でも特に経済/社会面双方で2023年の社会人の心情を象徴していた」。
経済部門の金賞は、
「物価高 追いつき追い越せ 我が給料」(30代・男性)
選評には「2024年を明るい方向に導く日本社会を鼓舞させるような句でした。中でも『物価高』という生活に変化を与えた時事ワードも含まれていた作品が金賞として選出される結果となりました」とある。
社会部門の金賞は、
「任せたい 社内政治も AIに」(20代・女性)
選評には「昨今の政界状況という時事性を捉えつつ、2023年に話題となったAIで社内の人間関係をも解決していきたい心情が、社会情勢と多くの共感を呼ぶ作品となっていました」と書かれていた。
社会を後押しする作品目立った
「Job総研」の堀雅一室長に、選考には漏れてしまったがキラリと光る作品を挙げてもらった。
一作目は、
「転職や 年収上げて いい暮らし」
物価高が進行する昨今だが、「理想の生活を求めて自身の力で収入を挙げていこうとするチャレンジ精神を感じる句として、経済部門の句として最終選考まで進みました」と堀室長。
もう一作。
「定時来た 後は任せた AIよ」
「2023年に話題となったAIを使い慣らし、効率よく働いていこうとする時事性と共感性のある作品として、社会部門の最終選考まで進みました」という。
堀室長は今回の「Job川柳」を振り返って、以下のようにコメントした。
「集まった作品はどれも、賃上げや物価高、コロナ5類移行とテレワーク/出社の働き方など、2023年の"働く"にまつわる変化を想起させるものばかりでした」
「情報によっては個人で受ける印象や影響も異なると考えられる世の中ですが、社会人の現場感が詰まった共感を呼ぶ作品だけでなく、日本社会を後押しするような作品が目立ちました」