株価急上昇、能登半島地震が引き金
J‐CASTニュースBiz編集部は、井出真吾さんに話を聞いた。
――今年夏から秋にかけて日経平均3万5000円がやってくるという予想より、かなり早く3万5000円を突破してしまいましたが、なぜ、これほど急ピッチに上昇しているのでしょうか。
井出真吾さん 私も正直驚いています。不謹慎ではありますが、元日に起こった能登半島地震の影響もあると思います。震災によって1月下旬に開かれる日本銀行の政策決定会合で、マイナス金利が解除される可能性がほぼ完全に消えました。しばらく円高のリスクがなくなることで、日本株が買いやすくなったことが大きいです。
今、日本株を買っているのは誰かということが問題です。今週木曜日(1月18日)に日本取引所グループが毎週公表している「投資部門別売買状況」が発表されて投資主体を確認することができますが、おそらく2つのグループが中心と思われます。
1つが欧州など海外のヘッジファンド。昨年(2023年)、日本株が大きく上昇しましたが、割高が意識される米国株に比べると、まだ買いやすい水準です。中国と台湾から逃げ込んできた資金も大きいと思います。中国の景気は今、悪いです。一方、台湾も1月13日に総統選挙が行われて、与党・民進党の頼清徳氏が勝ちましたが、結果次第では先行きが不透明でした。
――もう1つのグループとは何ですか。
井出さん 今月から始まった新NISA(少額投資非課税制度)の利用者です。新NISAのパワーは思ったより大きかったということです。新NISAの利用者の中には日本株を買う人が結構多いです。たとえば、今、NTTや、三菱UFJフィナンシャル・グループ、携帯会社のソフトバンク、それに大手総合商社の株などが上がっています。いずれも配当利回りが高く個人投資家に人気の銘柄です。