若手経営者が継いだ「経営難」地方中小企業に、2000人の新卒が殺到したワケ

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全国から2000人を超える若者が応募!

   Yさんは、自分の考えを丁寧に社内のメンバーに伝えました。

「すべての人に愛される酒でなくてもいい。ただし、好きになってくれた人を裏切らない酒を造りたい。『もう一度買いたい』と思ってもらいたい」
「小回りが利かず、安定志向の人材が多い大企業には生み出せない、モノづくりの力を発揮したい」
「小売店を限定し、この酒の良さを知り、しっかり伝えてくれる先に卸したい。『どこでも買える商品』にはしたくない」
「自社の独自ブランドを打ち立て、世界に打って出る」

   Yさんの、最良の酒造りを実現したいとの熱い気持ち、世界進出を目指そうとの壮大な夢は、社員たちの心にもしっかり響いたようでした。

   Yさんは、さらに、念願の新卒人材の採用にも乗り出しました。

「酒造りに人生を賭けたいと思える若者を探している」「『モノづくりがしたい』『日本酒造りは、かっこいい』『世界に発信したい』との思いを持った若者に来てもらいたい」

   全国に醸造家の採用を呼びかけました。

   すると、なんと、募集初年に全国各地から2000人を超える学生がエントリーしてきたのです。

「地方の小さな酒蔵の呼びかけに、若い世代からこれほどの反響があるとは...」

   大きな驚きであり、想定外の嬉しい手応えです。Yさんは多数の応募者の中から慎重に人選を進め、北は北海道、南は九州と、正に全国から4人の新卒者を採用しました。

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