タレントの紗栄子さんが2024年1月15日にインスタグラムを更新し、令和6年能登半島地震で被災した地域での支援活動の様子を公開した。
ちゃんぽんやミスタードーナツを振る舞う
紗栄子さんは、災害発生時に即座に支援を行うための「予防支援」を中心に活動する一般社団法人「Think The DAY」の代表理事を務めている。5日から、同団体の活動として支援物資を能登半島地震の被災地に届ける様子や、各施設の担当者に被災地の状況や今必要なものをヒアリングした上で物資を追加していることなどをインスタで報告してきた。
15日の投稿では、前日に能登町役場でちゃんぽんの炊き出しを行った様子を動画で公開。300人分の衣類や防寒アイテム、子供へのおもちゃ、ドーナツなどの物資を届けたと報告した。さらに矢田郷地区コミュニティセンターにも、約200人分の衣類や子供への防犯用の笛、アレルギー対応のクッキー、生理用品などを持っていったという。
物資の調達については、
「各避難所へ伺う際には事前に必要物資を確認し、内容や数量を洗い出してから、@_thinktheday備蓄分以外で必要となる物資に関しては、事前に各企業、各店舗に確認した上で購入させていただくというフローで、物資調達は進めております。急遽必要となった物資に関しても、直接店舗にて事情をお伝えした上で、販売分に影響がない範囲で購入させていただくようにしております」
と説明した。
コメント欄には
「動画見てたら涙が出て来ました。紗栄子さんの本当に必要なものを必要な人に必要な時に届けるお姿に感動しました」
「本当に本当に素晴らしい方だと再認識。私はかけつける力はないので募金しかできないけど、本当に本当にありがとうございます」
「テンションが少しでも上がるアイテムを支援できることが素敵ですね」
などの声が寄せられている。
「個人の現地入りは今はどうかお待ちに」呼びかけも
紗栄子さんは能登半島地震発生当日の1月1日、インスタで避難時に必要なものや余震の際の身の守り方などをまとめ、懐中電灯やスマートフォンのライトの上に水が入ったペットボトルを置いて明かりを広げる方法を動画で紹介した。
翌2日には「Think The DAY」サイトで寄付金を受け付けるページを公開。「皆さまからのご寄付は、クレジットカード会社の手数料等(消費税含む)を除き、全て本災害の被災地復旧支援とし、被災地の方々が必要としている物資の購入や支援活動に充てさせていただきます」とした。
4日には、被災地からの支援物資の要請が入ったため現地に向かう準備を始めたとした上で、
「未だ被害の全容が見えない中、自衛隊や災害救助隊の皆様が行方不明者の捜索や救助活動に当たられております。
1人でも多くの命を救えるように、人的被害が出ている災害に関しては、行方不明者の捜索や救助活動の妨げにならないためにも、そして二次災害に遭う可能性も非常に高いため、情報がない中ですぐに現地に向かうべきではありません。
特にTVなどで映像が流れている被災地に車で向かうと、現地で渋滞が起き、自衛隊や消防車、支援物資輸送車やインフラ復旧のための緊急車両の通行の妨げとなってしまいます。?被災されたかたたちの為にすぐに災害ボランティアに行きたいという気持ちは痛いほどよくわかりますが、個人の皆様の現地入りは今はどうかお待ちになってください」
と呼びかけていた。
「個人からの物資を受け入れてもらえない」もどかしさから法人設立
「Think The DAY」公式サイトに掲載している紗栄子さんのメッセージでは、紗栄子さんが2011年の東日本大震災の被災地や16年に台風で甚大な被害を受けた熊本・大分に募金したこと、17年の九州北部豪雨でボランティアとして活動したことを明かした上で、
「特に災害時に関しては災害直後、役所の皆さんも被災者の方の対応や刻一刻と必要となるものが変わる物資の受け入れや配布の対応、並行して行わなければならない日々の業務に追われてパンクしているところも多く、民間の私たちからの支援金がもちろん然るべきタイミングでは使われると思いますが、災害直後にスピード感を持って『必要物資』という形になって使ってもらうことは到底難しいということも理解しました」
と語っている。
19年9月の東日本台風では発生当日から避難所で支援物資を配布できたというが、「行政では個人からの物資を時期によっては受け入れてもらえないということ」を知ったとして、翌月に「Think The DAY」を設立したという。
サイトでは防災セットを販売し、利益をすべて災害発生時の支援活動にあてていると説明している。