「導入してからはお話しに来てくれるお客様も増えました」
客との接点が少なくなると懸念されるセルフスタンドで、コミュニケーションのきっかけに、という狙いも明かす。他店を客の立場で利用した際の「(表に)従業員がいないと困ったことがあっても声をかけづらい」との実体験も背景にある。
そこで「店にはこういうスタッフがいるよ」と認知に繋げるため、最初は「お知らせ」を一緒に添える形だった。例えば店長は、車の美観を保つキーパーコーティングの施工を競う「キーパー技術コンテスト」(22年、KeePer技研主催)で山梨県1位に輝いている。ほかに客とは世間話も交わすという。
結果として、レシート切れで客を待たせる問題を解消できただけでなく、「導入してからはお話しに来てくれるお客様も増えました」。「レシートチャンスを『当たったよ~』とニコニコしながらやってきてくださる方も増えたので、良かったのかなと思います」「皆さま優しいです」とも伝える。
「最初はこんな、来てくれないよねと期待はなかったんです。けれど実際に持ってきてくださる方が増えてきて。お客様にしていただいていることなので、店長は『(粗品の種類を)何か違うの増やす?』なんて...」
発案者は、「もともとガソリンスタンドは『サービスステーション』ってものだったので、元あるべき姿を今も繋げていきたい」とホスピタリティ精神をのぞかせる。一方の店長は、取り組みについて「本当に面白いアイデアだなと思ってすぐ取り入れました」とし、今後も継続の意向を示した。