能登半島地震の一部被災地では、停電やガス供給ストップ、断水が長期化している。キャンプ・アウトドアメーカーのモンベルは、被災地に寝袋やダウンウエア、アンダーウエアを救援物資として送った。底冷えする避難所での生活に、保温性の高いウエアが喜ばれたようだ。
J-CASTニュースBiz編集部では、災害備蓄品にキャンプグッズを加えることの有用性について、アウトドア防災士とキャンプ用品メーカーを取材した。
発災から4~5日は自活の必要性
アウトドア防災士としてインスタグラムなどで情報発信している、下山忍氏を取材した。元消防隊員という経歴から、「災害発生から4~5日程度は、自宅の備蓄やキャンプ道具を使って自活する必要があります。そのためにも、さまざまな道具を使って出来ることを増やすのが重要です」と強調した。「4~5日程度」という期間は、交通インフラの回復、避難所の開設といった点を考えてのことだという。
同氏自身、2011年の東日本大震災で家族とともに停電を経験した。
「明かりがなく部屋が真っ暗になり、冷蔵庫もダメになって不安感が高まりました。そんな時でも、ランタンやポータブル電源といったキャンプ道具が揃っていたので、うまく乗り切ることができました」
キャンプと避難所生活は、「どちらも何もない場所に突然放り出され、自分自身で何とかするしかない状況」という点で似ているという。「家族でキャンプをするのは、ちょっとした訓練になっているかもしれません」と話した。
避難時に役立つキャンプグッズ3選
災害に役立つキャンプ道具シリーズ「LOGOS LIFE LINE」を展開する、ロゴスコーポレーションに取材し、避難時に役立つアイテムを選んでもらった。状況設定は、「冬の関東地方で、一軒家の家族4人暮らしの在宅避難。停電とガス停止していて断水は起きていない」だ。
この条件下で紹介されたキャンプ道具の1つ目は、「(画像1)エコココロゴス・ミニラウンドストーブ4」(880円、以下全て税込)という固形燃料。見た目は手のひらサイズの練炭のような形をしている。ライターから着火でき、燃料一個でステーキ肉4枚以上を焼ける火力と、30~45分の燃焼時間がある。小さいので、保管も簡単そうだ。
2つ目は、「(画像2)野電 パワーストックランタン2600・フルコンプリート」(2万5850円)。乾電池不要の蓄電式ランタンで、シガーソケットやコンセントなど多電源に対応。フル充電だと弱点灯で160時間の使用に耐えるスペックなのだという。発光中も、スマートフォンやタブレット型端末に給電できるバッテリーとしての機能もある。
3つ目は「(画像3)倍速凍結・氷点下パックL」(1595円)という急冷材だ。停電下では冷蔵庫の機能が止まってしまうため、生鮮食材が腐ってしまう。同製品とクーラーボックスを併せて使えば、「冷蔵庫代わり」として食材の保存に使える。
なお、ロゴスコーポレーションの防災特集サイト「備えるキャンプグッズ」では、緊急時に温められるエマージェンシーシートや、被災地で使える屋外シャワーなども紹介している。