職場の「モンスター社員」をチェックリストで早期発見せよ! 会社を破壊される前の対応策

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   「上司の命令は聞かない」「ミスは他人のせいにする」...こんな「モンスター社員」に手を焼いている人も少なくないだろう。

   人事向けサービスを展開する調査会社のアスマーク(東京都渋谷区)が2023年12月18日に発表したリポート「チェックリストで早期発見! モンスター社員の傾向と取るべき対応」が参考になりそうだ。

   モンスター社員を放置すると、職場環境が悪化する恐れもある。本人も会社も手遅れにならない対策を担当者に聞いた。

  • 上司の命令に従わないモンスター社員(写真はイメージ)
    上司の命令に従わないモンスター社員(写真はイメージ)
  • (図表1)モンスター社員の傾向チェックリスト(アスマークの作成)
    (図表1)モンスター社員の傾向チェックリスト(アスマークの作成)
  • (図表2)モンスター社員への対応チェックフロー(アスマークの作成)
    (図表2)モンスター社員への対応チェックフロー(アスマークの作成)
  • 上司の命令に従わないモンスター社員(写真はイメージ)
  • (図表1)モンスター社員の傾向チェックリスト(アスマークの作成)
  • (図表2)モンスター社員への対応チェックフロー(アスマークの作成)

モラル欠如した、職場のトラブルメーカー

   アスマークによると、「モンスター社員」という言葉に正式な定義はないが、一般的には「社会常識がなく、会社で自己中心的に振る舞い、周囲に迷惑をかける人」という意味合いで使われることが多いという。放置しておくと組織に不利益をもたらすため、早い、適切な対応が必要だ。

   モンスター社員の主な特徴は次のとおりだ。

(1)社会人としてのモラルが低く、ルールを無視する。
(2)平気で嘘をつく、良心や倫理観が欠如している。
(3)ハラスメント行為をする。
(4)従業員仲間や顧客など、常に周りとトラブルを起こす。
(5)虚言や自慢話で周囲を振り回す。

   こうした行動に複数該当するか、1つでも度を越えたものがある場合は、モンスター社員の可能性が考えられる。同僚や業務に悪影響を与えることはもちろん、企業が外部に責任を問われる事態につながる可能性もあるため、放置するのは危険性が高い。

   そこでアスマークが作ったのが、早期発見のための「モンスター社員の傾向チェックリスト」だ【図表1】。「あいつはモンスター社員かもしれない」などと個人の主観で決めつけずに、客観的な事実を元に、慎重かつ冷静に判断することが求められる。

   そして、次の段階は、本人の問題行動や言動を改善させ、モンスター化を止められるように適切な対応をとる必要がある。本人が自覚して是正する意欲があればよいが、改善の意思が見られない場合は、会社として「厳正な処置」を取ることも視野にいれなければならない。その「モンスター社員への対応チェックフロー」が【図表2】だ。

最悪のモンスターは、ハラスメント常習者

   しかし、実際にモンスター社員をどう指導していけばよいのか。J‐CASTニュースBiz編集部はリポートを作成したアスマークの担当者に話を聞いた。

――モンスター社員のチェックリストに10項目ありますが、何個以上該当すれば、モンスター社員と言えるのでしょうか。また、このリストは社員全員に配って、それぞれが思い浮かぶ人をチェックするのか、それとも上司・指導的な立場の人がチェックするのでしょうか。

担当者 明確な定義がある言葉ではありませんので、何個以上あてはまったらどうというものではありません。このチェックリストに関しては、この人モンスター社員なのでは?と思ったときや、そのような訴えがあった際の確認用として使ってみていただければと考えています。

単にそりが合わなかったり、立場が対立していたりといった主観が混じって、モンスター社員だと思いこんでしまう場合もあるためです。

――チェックリストの10項目の中で、特に問題の項目がありますか。また、チェックリスト中の、「業務スキル」に関してですが、「スキルや能力が不足している傾向がある」という項目などは、割と該当者が多いのではないでしょうか。

「素行不良」だとかなり悪質な気がしますが、社員全員が「スキルや能力が十分にある」のなら会社はウハウハです。

担当者 問題の項目は、強いて言えば「ハラスメントを起こす傾向がある」でしょうか。ハラスメントは、当人同士だけでなく会社全体にも悪影響を与えかねない行為です。既に起こしてしまっており、さらに反省せず繰り返す傾向があるのであれば問題の根は深いかと思います。

「スキルや能力不足」と「期限を守れない」に関しては、スキルはあっても期限を守らないというモンスター社員もいますので、分けて項目立てています。もちろん、スキルや能力が不足している=モンスター社員というわけではありません。

あくまでも、モンスター社員にはスキル不足の人が多い傾向があるというだけです。これは、ミスを人のせいにしがちなため、改善意欲に欠ける人が多いということかもしれません。

モンスターを採用する、致命的ミスの防ぎ方

――モンスター社員が存在する背景として、そもそもそんな人物を採用したことが最大の原因に挙げられと思いますが、人事採用の問題点についてはどうお考えですか。

また、パワハラ上司が存在するとか、職場の環境がモンスター社員を生んだということは考えられないでしょうか。1個人の問題とせずに、会社全体の問題ととらえる視点はいかがでしょうか。

担当者 おっしゃる通り、もともとモンスター社員の素養を持った人だった可能性も、入社してから職場環境や人間関係、はたまた仕事とは関係ないプライベートの問題が影響してモンスター社員化してしまった可能性もあり、個人個人によってさまざまな原因があるかと思います。

採用に関しては、中途採用であれば本人の言葉だけすべて見抜くのは難しいかと思いますので、応募者の会社の上司などに、その職場での経歴や仕事ぶりなどについて問い合わせる「リファレンスチェック」などを活用するのもよいかもしれません。

いずれの場合にも、モンスター社員の傾向が見えた場合には、会社として、本人に問題点を認識させ是正する機会を与えることが大切だと考えています。

――最終的に、いろいろ指導してもダメな場合は、やはり解雇や退職勧奨になりますか。その前段階の処分についてはどうお考えですか。

担当者 最終的には各社の就業規則と照らし合わせたうえでの判断になるかと思いますが、懲戒事由に当てはまるならば解雇もありえるでしょう。懲戒処分の中でも出勤停止や減給など解雇の前に段階はあると思います。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

姉妹サイト