「五十鈴川に投銭をしないで下さい」の掲示はあるけれど
写真を投稿した勢乃國屋の担当者は1月11日、J-CASTニュースの取材に対し、五十鈴川の川べりで手をお清めする「御手洗場(みたらし)」で撮影したことを明らかにした。
この場所には、「五十鈴川に投銭をしないで下さい」といった掲示がされている。「他でも投銭はされていますが、ここが一番多いですね。掲示には気づいている人も多いと思いますが、川底に小銭が見えるので、つい投銭をしてしまうのではないですか」と担当者はみていた。
伊勢神宮を統括する神宮司庁(伊勢市)の広報室では11日、五十鈴川の投銭について、取材にこう説明した。
「川を渡ることで身を清めていましたので、神宮では、清らかさを重んじています。昔は、内宮に手水舎はなく、川の水で手を洗って清めていただいていました。御手洗場は、投銭をするための場所ではありません。賽銭をあげる場所は他にありますので、そちらの方に行っていただきたいですね」
神宮では、川の水をきれいに保つため、上流の山一帯を所有地にしているという。
以前から、川に投銭をしないでほしいと意思表示しているが、なかなか投銭がなくならない理由については、こう話した。
「誰かがやってしまうと、やりたくなるのが人情なのでしょう。しかし、手を洗って清める場には、投銭はふさわしくないと思っています。素朴な感情でやっていると思いますが、もう少し深く考えてほしいと思っています」
参拝客が集まる季節になれば、川底にネットを張っているとしたうえで、こう話した。
「ネットを張るだけでは、そこからはみ出てしまう硬貨もたくさんあります。職員が川に入って可能な限り集めていますが、回収するのも大変な作業だと聞いています。神宮のよい雰囲気を感じて、誰かに迷惑をかけないよう、清々しい気持ちで参拝していただきたいですね」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)