スーツを新調、親は家を出る前に写真を撮ってくれて...それでも「成人式行くのやめました」 投稿者が明かした一部始終

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   「成人式行くのやめました 親には行けと言われたのでカフェで時間を潰して帰ります」――。2024年1月8日、成人の日にX(旧ツイッター)に投稿されたポストに、インターネット掲示板「2ちゃんねる」(現・5ちゃんねる)創設者の「ひろゆき」こと西村博之さんもコメントするなど、大きな反響があった。

   J-CASTニュースは投稿者に、成人式に行かなかった理由や、反響を受けての心境を聞いた。

  • 成人式(イメージ)
    成人式(イメージ)
  • りひとじぇらーどさんのXアカウント(@rihito_gerrard)より
    りひとじぇらーどさんのXアカウント(@rihito_gerrard)より
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  • りひとじぇらーどさんのXアカウント(@rihito_gerrard)より

「家に帰って親の顔を見たらかなり胸が苦しくなりました」

   投稿者の「りひとじぇらーど」さん(@rihito_gerrard)は8日、コーヒーの写真とともに次のように投稿した。

「成人式行くのやめました
親には行けと言われたのでカフェで時間を潰して帰ります
後悔はないです
ここから楽しい人生が来ることを心から祈ってます」

   この投稿には約7.7万の「いいね」が付き、

「行きたい人だけ行けばいいのよ。私も行かなかったよ」
「行く行かないが大事ではなく、行かないという選択にあなたが勇気を使ったなら正解だと思います」

など、投稿者の選択を肯定する声が寄せられたほか、ひろゆきさんは

「・親の言葉に逆らう覚悟がない。
・成人式に行っても一つも良い事がないと思い込む悲観主義。
・楽しい事を自分で作るのではなく、待ってたら来るという他人任せ。
以上の点を変えた方が、人生はより楽しめると思うおいらです」

と意見をつづった

   その後、投稿者はXで「家に帰って親の顔を見たらかなり胸が苦しくなりました」「父、母に心の中で謝っておきました」と心境を明かしている。

「友達おらんやろ」からかわれるのが辛くて友達と疎遠に

   投稿者は成人式に行くのを辞めた理由について、10日、J-CASTニュースの取材に、地元の友達と会うのを避けるためだった説明。その背景を明かした。

   中学生の時は「地元に友達がいなかったとかではなく、むしろ学級委員をしたり体育祭で応援団をやったり、クラスや学年の中心だった」というが、地元から離れた高校に進学したことで状況が変わったという。

「環境や生活の変化で、高校1年生の時にかなり苦しみました。自分が思っていた以上に友達がなかなか作れなくて。その中で、1年生の終わりから2年生になる頃に新型コロナウイルスが流行して緊急事態宣言が出て、地元の友達とも関わらなくなっていきました。1人でいろいろ考えることも多くなって、精神的にダメージがきてしまいました。それ以来、メンタルケアのためカウンセリングに今も通っています」

   一方で地元の友達は、高校生活を楽しんでいる様子だった。それを見て不安を感じたという。

「地元の人たちが、(高校での)新たな友達も加えて楽しくわーわーやっている様子をインスタグラムなどで見てしまうと、今の状況で地元の友達と会って今まで通りできるのかと不安を感じました」

   その後、地元の友達と会うのを避けるようになっていった。

「(地元の友達に)会ったら会ったで、『友達おらんやろ』といじられることもありました。その場では笑っていたのですが、悔しかったり嫌だったりして、地元の友達と関わらなくなっていきました。体調が良い時はちょくちょく会っていましたが、なかなか話が弾まずという感じで。僕自身も(友達と会った)後に『みんな楽しく過ごしているんだな』とか考えると結構しんどくなってしまって......」

「家を出る前に写真を撮ってくれて...」親には言えず

   成人式当日は、会場に行くために家を出たものの、途中で「いっぱいいっぱいになった」と振り返る。両親は高校時代の事情も知っていたが成人式に行くことを勧め、新しいスーツを買ってくれた。

「買わないでいいとは言えなかったです。結構高めのスーツを買ってくれたので、申し訳ないという気持ちもありました。当日は両親がすごく喜んでくれて、家を出る前に写真を撮ってくれて......、それで家を出ました」

   道中、同じく成人式に向かう近所の人を見かけたという。

「みんなはわいわいしているのに、僕は誰とも約束しておらず1人だったので、話しかけられなかったです。遊びの誘いを断るなどして自分から離れていったし、無視されるんじゃないかとか考えてしまって。 急に会っても何を喋っていいかわからないですし。それで(成人式に)行く途中で無理だと思って。気持ちがいっぱいいっぱいになってしまったんですよね」

   そして、冒頭の投稿の通りカフェに行き、2時間程度を過ごしたという。帰宅後は、両親に「(式に)行ったよ」と伝えた。

「『ごめん、行けなかった』とは、買ってもらったスーツを着た状況で、とても言えなかったです。今まで迷惑をかけてきたところもあったので......。成人式の話はあえて詳しくはしませんでした。向こうも聞いてこなかったですし。『楽しかったよ』くらい」

   両親には過保護なほど大切にしてもらってきたといい、「行かなかったことに対しては後悔してないけど、両親に対してはすごく申し訳ない気持ち」と明かした。

成人式には「行くのが当たり前で、行かないと『なんで』のような反応になる」

   投稿者は家族に申し訳なさを感じたこと以外にも、アルバイト先でも成人式に行かなかったことで居心地の悪さを感じたと明かす。

「昨日、アルバイトに行った時に、バイト先の社員さんなどに『成人式に行った?楽しかった?』と聞かれました。『行ってないんですよ』と言うと、『なんで?楽しいのに』と返ってきて、内心気まずい気持ちになりました。悪気はないと思うのですが、僕にとっては辛かったですね」

   成人式には「行くのが当たり前で、行かないと『なんで』のような反応になる」と感じている。「おそらく僕以外にも同じような体験をした人は少なからずいるんじゃないでしょうか。行かない人もいるよっていうのをもう少し(世間が)認識してくれたらいいなと思います」と呼びかけた。

「自分からもっと行動して、変わっていくことも大事なのかなと」

   投稿に「ここまで反響があると思わなかった」としつつ、温かいコメントがたくさん寄せられたことに「インターネットで繋がる良さ」を感じたという。

   一方、ひろゆきさんからのコメントには、まず「びっくりした」。意見に対しては「もっとも」だと感じたといい「悲観的になることが多い性格ではあるので、なんでももう少し前向きに捉えることができたら楽しめるなとは思いました」と話した。

「ひろゆきさん以外にも『楽しいことをもっと自分で取り組んでみたらいいと思うよ』『自分らしくやったらいいと思うよ』という意見もいただきました。せっかくこのような言葉をもらったので、自分のペースで、いろいろな楽しいことを見つけて取り組んでみようかなと思います。社会人になるまで時間があるので、いろいろな経験をしてみようかなと」

   成人式に誘ってくれた友達も2、3人いたといい、「声をかけてくれた友達にはせっかくなので会おうかなと思っています」と明かす。「成人式に行かなかったことで、よけいに(地元の友達に)自分から声をかけづらくなったとは思います。相手はそこまで思っていなくても、僕にとっては声をかけるまでに勇気がいるのですが、もっと自分から行動して、変わっていくことも大事なのかなと思います」と前向きに話した。

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