建設業倒産ハイペース!「2024年問題」で加速か? 能登半島地震の復旧作業にも欠かせないのに

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倒産は、景気回復の兆しが見えた時に増える

――リポートには「資材高」も大きいと分析していますが、建設コストに価格転嫁できないということでしょうか。

箕輪さん 受注価格にコスト上昇分を反映できればよいのですが、施主を交渉するのが難しい状況です。最近は物価上昇に対する消費者の理解が進み、たとえばスーパーの食品が値上げしてもやむを得ないという声が多くなりました。

しかし、住宅は一生に一度の大きな買い物で、スーパーで野菜を買うのとは違います。仮に4000万円だった戸建て住宅の建設コストが、4500万円に上がったとします。500万円分を施主が負担してくれるのかという問題になります。「500万円も余計に支払うなら、今、家を買うのはあきらめる」という人も出てくるでしょう。

実際に今回の調査で、一番倒産が多い地域は北海道でした。前年比210%もの急増ぶりで、戸建てを中心とした資材価格の高騰が主な原因です。北海道では価格が上がった新築住宅が売れなくなったのです。そのため、建売住宅の在庫が滞留して、小規模建設業者の仕事がなくなり、倒産が激増しました。

――しかし、コロナ禍から立ち直り、日本経済全体に景気回復の明るい兆しが見え始めているではないですか。

箕輪さん 実は、景気回復の途中こそ倒産が増えるという原則があります。たとえば今回の調査で、北海道に次いで倒産が急増したのは九州です(前年比50.5%増)。

福岡市中心部の大型再開発プロジェクト「天神ビッグバン」や、熊本県で始まった半導体受託生産の世界最大手「台湾積体電路製造」(TSMC)の工場進出などで、地元の建設業界が活発化しています。皮肉にもこの過熱ぶりが倒産を生んでいます。

先ほど「黒字倒産」の時に述べたことと同様に、工事前の資材購入や人手確保に伴う現金流出が先行して、資金繰りがショートするケースが多くみられました。本当に景気が回復していればよいのですが、回復途中では小規模業者は無理を重ねてしまうのです。
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