「イクメン時代到来」どころか夫の家事・育児に「不満」の妻が過半数 専門家が提言「1億総しゅふ化」を!

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「洗脳」された夫には、子どものように接しよう

――妻は、残念な夫にどう家事・育児をさせるよう仕向ければよいでしょうか。

川上さん 妻側は夫たちとは育ってきた環境が異なるため、大人になった時点で既に、家事・育児に対して大きな意識格差があることを認識しておく必要があります。床の上に服を脱ぎっ放しにしていても、注意するまで片づけない。あるいは、不機嫌そうな態度をとられ、注意しても片づけない。夫のそんな姿を見ると、どうしようもなく腹が立つと思います。

ただ、当の夫は「家事・育児はしなくていい」と言って育てられてきました。中には、「男が家事などするんじゃない!」と怒られて育った夫もいるはずです。「脱いだ服を片づけて」と指摘する妻は間違いなく正しいのですが、洗脳と言っていいほど染みついた過去からの教育によって、その言葉が夫の耳には届きにくくなっているのです。

そのため、もどかしいとは思いますが、ストレスを溜め過ぎない範囲で見守ったり、ちょっとしたことでも褒めたりと、子どもを育てるような気持ちで接することが夫の行動を変えさせる近道かもしれません。家事・育児で妻が夫に自分と同じ目線を要求すると、ふてくされたり逆切れしたりされることもあります。妻から見れば「ふざけるな!」と言いたくなると思いますが、幼少期から植えつけられた意識格差が少なからず邪魔をしていることだけは、頭の隅に入れておいていただければと思います。

――残念な夫の意識改革は、育児よりも手がかかりますね。

川上さん しかし、希望はあります。兼業主夫となったこの3年で、明らかにスーパーで男性を見かける比率が増えました。妻から見るとまだまだでも、夫たちは夫たちなりに頑張っているのだと感じています。ただ、多くの夫たちが根本的に間違っているのは、自分たちが家事・育児の主体者だと思っていないことです。夫婦はどちらも、家事・育児を含む家周りの仕事の主体者です。

ご家庭によって夫婦の家事・育児比率が1:9の場合もあれば、5:5の場合、8:2の場合もあるかもしれません。しかし、比率がどうであれ、家事・育児の主体者であるという意識を持てているかどうかが「名もなき家事」への気づきなど具体的な行動の差に直結します。

家周りの仕事は、家族が生活している限りなくなることはありません。そこに性別などは関係なく、家周りの仕事は家族全員が当事者であり主体者です。しかし、いまだに家周りの仕事は女性の役目と認識されているところがあります。その認識を、誰もが家周りの仕事の主体であり誰もが「しゅふ」であるという認識へと改める「一億総しゅふ化」が必要だと感じます。

しかし、いまは「男性は仕事、女性は家庭」という性別役割分業意識の影響が至る所に残っています。成り行きに任せるのではなく、学校教育などを通じて子どものころから認識を変えていくといった能動的な取り組みも重要になってくるのではないでしょうか。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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