「覚醒した夫」と「眠れる夫」の二極化が進んで...
J-CASTニュースBiz編集部は、研究顧問として同調査を行い、雇用労働問題に詳しいワークスタイル研究家の川上敬太郎さんに話を聞いた。
――男性の育休取得率が上がっているのに、直近の3年間調査では、「不満あり」が増えているのは理解できません。夫の家事・育児意識が高まってきていると思ったのは勘違いだったのでしょうか。
川上敬太郎さん 夫の家事・育児意識は、年々高まってきている印象を受けています。それなのに「不満あり」が増えている理由として、夫側の意識の高まり以上に妻側の期待や負担感のほうが、速いスピードで大きくなっていることが考えられます。
これまで、仕事と家庭の両立に悩むのはいつも妻の方でした。その傾向は、女性の就業率が上昇傾向を続けている現在も変わりません。夫は夫なりに家事・育児への意識を変えようと努力していたとしても、具体的な行動に移せていないとか、行動に移したとしても妻にはあまり変わっているように見えていないのかもしれません。
――なるほど。夫婦をめぐる時代の移り変わりが速いのですね。
川上さん 一方で、男性の育休取得が推進されるなど世の中の機運を見るにつれ、妻側の夫への期待値は高まり、さらに仕事との両立が進むにつれて家事・育児の負担をより強く感じるようになることで、夫への不満が一層強まってしまっている可能性がありそうです。
ただ、中には家事・育児への意識だけでなく、既に具体的に行動を変えている夫もいます。フリーコメントには、夫の家事・育児を絶賛する妻の声がいくつも寄せられました。そんな「覚醒した夫」と、いまだ「眠れる夫」の二極化が進んでいるようにも感じます。
そうすると、「覚醒した夫」との比較で「眠れる夫」への不満はさらに大きくなってしまうかもしれません。