20~60代で、スマートフォン(スマホ)に依存していると自覚する人は44%で、20代が世代別で最も多くスマホ依存を感じている――。近頃、このような調査結果がまとまった。
スマホ依存を感じている人の理由を見てみると、「スマホが手放せない」「ないと不安になる」「ずっとSNSを見たり、動画を見たりしている」などが挙がっている。J-CASTニュースBizは、デジタルデトックス協会理事の森下彰大氏を取材し、予防法などを聞いた。
「4時間以上操作」20代は48%
先述の調査結果は、クロスマーケティングが2023年12月7日に発表した「目に関する調査(2023年)」。全国47都道府県の20歳~79歳の男女2400人を対象に、2023年11月29~30日に行われた。
スマホの1日の平均的な利用時間でもっとも割合が多かったのは、2~3時間だった。なお、若い年代ほど利用時間が長い傾向がある。4時間以上スマホを操作している人は、20代が48%だったのに対し、30代は46%、40代は31%、50代は28%となった。
スマホ依存の自覚の有無については、「かなりスマホ依存だと思う」「まあスマホ依存症だと思う」合わせて、回答者全体の44%の人がスマホ依存症を自覚していた。
世代別では、若い世代の割合が大きい。20代は62%(かなりスマホ依存症だと思う:20%、まあスマホ依存症だと思う:42%)、30代は57%(かなりスマホ依存症だと思う:15%、まあスマホ依存症だと思う:42%)だ。
自分の現状を理解することが大切
取材に応じた森下理事は、スマホ依存の原因について「オンラインゲームのやりすぎやSNSに熱中すること、ドゥームスクローリング(インターネット上の悲観的なニュースなどを見続けてしまうこと)になってしまうこと」を挙げる。
スマホ依存が重篤になると、睡眠や食事、排せつ、入浴がしたくなくなるといった生活に支障が出てくると指摘。「重度になると、オンラインゲームが止められずに睡眠時間を削ったり、SNSでメンタルヘルスに支障をきたす、スマホ操作に熱中して部屋から出られないということがあります」と話した。
スマホ依存の解消方法として、各種依存症の治療を手掛ける「久里浜医療センター」がネット上で提供している「スマートフォン依存スケール」を紹介。これはスマホに関する質問が並び、チェックを付けて自己診断するものだ。また、自分がスマホを見ている時間を計測してくれる「スクリーンタイム」の機能を使うなどして、自分の現状を理解することが大切だと森下理事は語る。
その上で、「『スマホを極力見ない』との気持ちで、部屋の少し離れた場所にスマホを置いたり、時間を決めて利用したりするなど生活環境の整理することが改善方法につながる」とした。