日本維新の会の音喜多駿参院議員が2023年1月8日、YouTubeに公開した動画で、れいわ新選組代表の山本太郎参院議員が令和6年能登半島地震の被災地に入ったとX(旧ツイッター)で報告したことについて改めて批判した。
「膝から崩れ落ちました。もう何やってんだと」
山本氏は5日、自身に対する「この混乱状態も含めて国会議員に知ってもらいたい」「あまりの政府の後手後手に、命が蔑ろにされている」などの声を受け、被災者らの話を直接聞くため被災地の能登町に赴いたと報告した。
「始発でレンタカーに空きがある駅まで移動」して現地入りし、状況を聞いたという。「話をしながら彼らの晩ごはんの炊き出しに誘われ 凍える寒さの中、カレーをいただく」とも明かしていた。
能登半島地震をめぐっては、物資や患者の輸送ルートを確保する必要があることから、岸田文雄首相をはじめ、石川県や馳浩知事らが不要不急の一般車での被災地への乗り入れを控えるよう繰り返し呼びかけている。こうした中での被災地入りに、SNSでは応援の声もある一方で批判も多く寄せられた。
音喜多氏は8日、YouTube動画「迷惑系国会議員! 被災地の悲痛な声を無視して現地入りしたれいわ新選組・山本太郎議員が批判されるべき理由」で山本氏の行動を厳しく批判した。
再三の要請があるにもかかわらずレンタカーで被災地入りし、炊き出しのカレーを食べたなどとする山本氏の投稿を見た音喜多氏は、「私はこの投稿を見た時に膝から崩れ落ちました。もう何やってんだと。被災地の方々に負担をかけて、レンタカーで行って渋滞の一因になっている。国会議員がやるべきことじゃないだろうという風に本当に思います」と落胆。
自身も「現地に飛んでいきたいですよ、被災者の方の話も聞きたい」と思っているとしつつ、「山本氏のように政治家が行っているのならば自分も被災地に行きたい」などと考えてしまう人を食い止めるためにも批判すべきだとして「ダメなものはダメなんだ」と改めて否定した。
「能登地方の震災においては極めて大きなマイナスになっている」
「『お気持ち』でね、功を焦って行って『私は被災地に寄り添ってます』みたいなことはね、一見お涙頂戴のエピソードとしてはいいかもしれないですが。特に今回の能登地方の震災においては極めて大きなマイナスになっている」
現代は「大SNS時代」だとし、「情報発信が容易になったことで、被災地にいち早く乗り込んで支援物資を配って、動画撮って写真を撮ってアップして。それがまた持てはやされるという循環が生まれてしまった」ともしている。
山本氏が発信した内容について「本当に別に行かなくても、かなりそれにもう近い情報を得られるようなことしか発信はされていませんでした。本当何やってんだと。被災地に迷惑をかけてまで......」とし、「心底ガッカリしました」と憤った。
11年から16年まで約5年間、東日本大震災の復興支援に従事していたという音喜多氏は、自身の経験からも「今回の山本太郎さんの行動。影響力ある方がこうした行動に出て発信をして、多くの方を巻き込むような活動をしてるポーズを見せていることは、私は被災全体にとって非常に少なくない影響があった、マイナスの影響があったと思いますし、大変残念です」と思いを語った。