「インプ稼ぎ」迷惑系YouTuberも参戦か 能登半島地震の被災地に押しかけXに投稿連発

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   X(旧ツイッター)上で、能登半島地震に関連したインプレッション(インプ)稼ぎが問題視されている。偽の被災情報や被災地の事件を捏造して流し、閲覧数(インプレッション)を増やして収益につなげるもの。現地の救援活動や被災地の不安感をあおる、悪質な投稿だ。

   この「インプ稼ぎ」目当てではないかと批判されているのが、いわゆる「迷惑系YouTuber」の動き。求められていないのに「支援活動」と称して被災地を訪れる身勝手な行動で注目を集め、Xの閲覧数を増やそうとしているのではないかと、批判の声が出ている。

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広告収益分配プログラムを悪用

   問題となっている「インプ稼ぎ」では、Xで行われている広告収益分配プログラムを悪用して、閲覧数の多い投稿への意味のない返信や、スキャンダラスな偽情報の流布などで自らの「インプ」を増やし、収益を得る。

   「迷惑系YouTuber」は、2024年1月6日から8日にかけて被災地入りした。こうした地域での個人による支援行動は行政がストップを呼び掛けているが、物資を現地避難所に届けるなどと豪語し、各方面から批判を浴びている。直近では「煉獄コロアキ」氏が問題視されている。

   コロアキ氏のここ数日の行動を、Xで見てみよう。1月6日に、石川県に向かっていると投稿。その後、金沢市に立ち寄ってから7日夕、同行していた仲間と別れて単独で奥能登に向かうとした。同日22時過ぎの投稿を最後に、Xは更新されていない。

   同氏のこうした行動が「インプ稼ぎ」を目的としているかは不明だ。しかし、一連のXの投稿を見ると、表示回数が数百万回に達しているものが並び、リポスト(再投稿)や引用も多い。批判するコメントが多く書き込まれてはいるが、「自分の投稿を閲覧してもらえれば、怒られても構わない」と炎上を覚悟しているとも考えられる。

専門家「コミュニティノートを読む、リポストしない」勧める

   インターネットジャーナリスト・井上トシユキ氏を取材した。悪質なインプ稼ぎを防ぐ方法として、Xの「コミュニティノート」機能を使うよう提案した。誤解を招く可能性がある投稿に、Xのユーザーが協力して背景情報を提供できるものだ。「怪しい偽情報が流れてきたときに、コミュニティノートとその評価を見て、下手にリポストしないことが、インプ稼ぎに対抗する手段になりうると思います」と語った。

   半面、「ツイッターからXに移行したことで、通報機能の審査基準が変わり、X内でアカウント停止の意思統一がされていない感じがします」と井上氏は指摘。通報機能が最善の方法だとは言えないと考える。その上で、

「インフルエンサーや有名人の意見だからといって、鵜呑みにしないことが大切です」

   と強調した。

   では、稼げなくなったYouTuberが今度はXでのインプ稼ぎに「転身」する未来はあるのか。井上氏は「迷惑系YouTuberも地震被害があって、改心して人助けに走る人と、迷惑行為にまい進する人に二分されている感じがします」と語った。

「インプ稼ぎに走るだろう人は、後者です。名前が売れているので、『あることないこと』を(Xに)書いていき、転身する人も出てくることでしょう」
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