今年の家計「苦しくなりそう」6割超! 収入増やす方法1位が「ポイ活」とは...「ゆとり派」と広がる二極化

収入増のための「副業」が減った悲しい理由

   J-CASTニュースBiz編集部は、研究顧問として同調査を行い、雇用労働問題に詳しいワークスタイル研究家の川上敬太郎さんに話を聞いた。

――家計のゆとり調査、2022年からの3年間比較では、年々「苦しくなりそう」という人が増えています。その一方で、「ゆとりができそう」という層も昨年よりは増えており、二極化の兆しが見えますが、これはなぜですか。

川上敬太郎さん ここ数年の傾向としては「家計が苦しくなりそう」という声が増え続けています。しかも6割を超えているので、多くのご家庭では厳しい状況にあるのだと思います。

一方で、2023年は新型コロナが2類から5類に移行しましたが、外出や旅行を自粛したり、人づきあいで飲食する機会が減ったりと、消費を抑えられた分が家計にゆとりをもたらしたご家庭もあるかと思います。

また、賃上げ傾向が続く中で、配偶者の収入が増えたケースや、専業主婦だった人が働き始めたり、パート勤務だった人がフルタイム勤務に移行したり、副業を始めたりと家計収入を増やす動きを積極的に行っていたご家庭もあったようです。

――収入増を目指す方法として「ポイ活」がトップですが、何だか切ない気持ちになります。しかも、3年間比較では「副業」が業務委託のアルバイト形式やしっかりした雇用契約ともに、今年(2024年)は前年、前々年より減っています。これは、どうしてなのでしょうか。

川上さん 主婦層が家庭を切り盛りしながら収入を少しでも上乗せする活動として、日々の買い物の際や空いた時間に取り組みやすいポイ活は適しています。そのため、収入増を図る手段を尋ねるといつも上位にきます。

一方、コロナ禍では勤務時間が抑えられて収入が減ったり、仕事を失ったりした人がたくさんいました。生活を維持するために、多少無理をしてでも収入を増やす活動に注力しなければならなかったご家庭も少なくなかったはずです。コロナ禍が3年以上も続く中、その間に疲弊を感じてしまった人もいらっしゃったのではないでしょうか。

それでも「副業」と回答した人が2番目に多いものの、2年間続けてやや減ったのは、収入を増やす必要がなくなったということではなく、できれば収入を増やしたいと考えていても、家計をやりくりするだけでも大変ななか、仕事で無理をしすぎないようセーブする姿勢が反映されているのかもしれません。
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