最大震度7を観測した能登半島地震では、自治体や企業などが被災地に向けてさまざまな支援物資を提供している。その中には飲食料や毛布などのほか、生理用品も含まれるが、SNSでは「優先度が低い」とする意見がある一方で、必要性の高さを訴える声も出ている。
専門家は、生理用品がないと「感染もおきやすく、女性だけではなく、避難所全体の問題になる」と指摘しており、「生理用品はトイレットペーパーと同じくらい必要なもの」と訴える。
「水が限られて洗濯も難しい中、生理用品なしで過ごすのはとても苦痛」
X(旧ツイッター)では、「生理用品は優先度が低い」などとする意見に対し、
「経血でそこら中血まみれになって不衛生な環境になって避難所に感染症を引き起こしても構わないと思ってる?」
「避難所に生理用品は優先度低いって人は、下着の中に30-60分毎にトマトジュース大さじ1-2杯入れる生活を3-5日くらい続けてみて欲しい」
などのコメントのほか、月経中に必要な生理用品の量などについて、実体験を交えて訴える声も見られた。
産婦人科医でYouTuberの高橋怜奈さんは、生理用品の必要性について、2024年1月6日、J-CASTニュースの取材に次のように説明した。
「生理のある女性は月に1回、約1週間程度、月経期間があります。経血の量や持続日数には個人差がありますが、本来であれば生理用品を使用して外陰部を清潔に保ちますが、生理用品がないと外陰部が炎症を起こしてかぶれてしまったり、強い不快感の原因になります」
下着や衣服、寝具に付着する事もあるため、災害時は「水が限られて洗濯も難しい中、生理用品なしで過ごすのはとても苦痛で、それが脅かされるということは人間の尊厳に関わることだとも言えます」と説明した。
1回の月経で必要な生理用品の量については、量や日数など個人差があるとしつつ、「平均的な量と日数で、適切に生理用品を交換できる環境であれば、昼用ナプキンが1日5~7枚程度、夜用ナプキンが1枚くらい、それが数日間続きます。タンポンだと1日3~4個くらいでしょう」とする。その上で、「その人の体質(肌がかぶれやすく頻繁に交換しないといけないとか、過多月経がある)などによって使用する生理用品の種類も量も大きく変わってきます」と補足した。