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SB王貞治会長は「1球団の利益だけでものを考える人ではない」 楽天初代監督・田尾氏が山川穂高獲得で感じた「人間の器」

   プロ野球楽天の初代監督で野球解説者の田尾安志氏(70)が2024年1月6日にユーチューブを更新し、ソフトバンクが西武からフリーエージェント(FA)した山川穂高内野手(32)を獲得したことを巡り、王貞治球団会長(83)が批判されていることに関して「王さんという人間はそんなに器の小さな人ではない」との持論を展開した。

  • ソフトバンク王会長(写真:つのだよしお/アフロ)
    ソフトバンク王会長(写真:つのだよしお/アフロ)
  • ソフトバンク王会長(写真:つのだよしお/アフロ)

「山川がほしいというようなことを考えるのはありきたりのこと」

   スポーツ紙などの報道によると王会長は5日、山川を獲得した経緯について報道陣に説明。「野球界で生きていく力を持っている人がその世界で生きられないような世界を作っちゃいけないと思う」などと語ったという。山川獲得に対する王会長の姿勢に関してインターネットでは賛否の声が上がり、野球ファンの注目を集めた。

   田尾氏は「本当に個人の意見としてひと言お話したい」と前置きし、ソフトバンクが山川を獲得した経緯について推測した。

「王さんは今ソフトバンクの会長という役職に就いていますから当然チームを強くしたい。そういう中で山川がほしいというようなことを考えるのはありきたりのことですが、王さんの言われている山川という選手。これはプロ野球界でやっていける力のある選手。それを事件で全くチャンスを与えないというのは野球界としては良くないということで、そういう事も加味して今回ソフトバンクで取ったという風に素直に思っております」

   そして自身が楽天の監督を務めた05年を振り返り、当時ソフトバンクの監督だった王会長とのやりとりなどを明かした。楽天は05年に新球団としてパ・リーグに加入。チーム立ち上げ当初は戦力の確保が難しく、最終成績38勝97敗1分でリーグ最下位に沈んだ。

初年度最下位で「この戦力では辛い」と泣きつく

   田尾氏は「僕は王さんが大好きで今まで色々とお世話になった方」とし、次のように自身の見解を述べた。

「1球団の利益だけでものを考える人ではない。これはずっと感じております。僕が楽天で2005年に監督をさせていただいた時に、あまりにも弱い。そういう戦力でした。そこで当時ソフトバンクの監督をされておりました王監督には来季に向けて『監督、なんとか協力していただけませんか。この戦力では辛い』と。ソフトバンクには余剰戦力になっている人が何人かいたので『この選手たちをうちにいただけませんか』という話をした時に快く返答して頂きました。『分かった。協力する』と言っていただきました。王さんは自分のところの球団だけでなくプロ野球界全体を考えてくださっている人なんだと」

   さらに「王さんという人間はそんなに器の小さな人ではない。もっと大きな視野で色々なことを考えていらっしゃる方なんだということを皆様にも感じて頂きたい。1球団の会長に留まらずにプロ野球のコミッショナーになっていただきたい人」と評し、「『ソフトバンクを強くするために欲しがったのだろう』と書かれているのもありましたが、そんな小さいことだけでは動かない人だと思います。色々なことを考え色々な批判を受けることを覚悟して今回山川選手を取ったと思う」との見解を示した。