「別に鉄道だけに偏愛しているわけじゃないんですよ」
―― これまで防衛相、農水相、地方創生担当相など多数のポストを経験していますが、仮に今後入閣できる機会があれば、どんなポストに就きたいですか。世論調査の「次の首相にふさわしい人」の問いでは常に上位にランクインしますが、鉄道を所管する国交相はいかがですか。先ほどの前原氏や、現職の斉藤鉄夫国交相など、鉄オタとして上り詰めたなぁ、と勝手に思ってしまうのですが。今は公明党のポストだ、といった現実的な事情はさておき、いかがですか?
石破: (鉄道趣味は)国交相ができることじゃないからね。でも私、別に自動車が嫌いなわけじゃない。昭和40~50年代は、その辺を走っている車の車種を全部言えましたもんね。
―― 車もですか!
石破: サニーだとかカローラだとか、そんなの誰でも言えるのですが、何でしょう、車もすごく思い入れがあるし、今でも車を運転するのは大好きだし、飛行機も大好きです。別に鉄道だけに偏愛しているわけじゃないんですよ。
だけど、これからの日本にとっての交通のあり方とは何なんだろうという議論をするためには...いや、公明党さんのポジションでもあるし、今更ということもあるけれど、国交相という仕事はやってみたかったですね。農水相をやったときに(編注:08~09年にかけて農水相を務めた)、鉄道のインタビューにいくつか出たことがあるんですよ。その時は国交相をやってみたいと思っていましたね。
―― もし、天変地異でも起きて今からお鉢が回ってきたら...。
石破: 交通基本法みたいなものをもう1回ちゃんと議論してみませんか、ということだと思いますね(編注:13年に交通に関する基本理念を定めた「交通政策基本法」が施行されている)。それぞれの輸送特性とでもいうのでしょうか、飛行機なら飛行機、船なら船、自動車なら自動車、そういう特性を最大限に発揮する交通システムって何でしょうかという、もう一度「そもそも」みたいな話をしてみたいな、と思っていました。今更66歳にもなって、それでもありますまい。
石破茂さん プロフィール
いしば・しげる 衆院議員。1957年生まれ、鳥取県出身。慶應義塾大学法学部卒業後、三井銀行(現・三井住友銀行)入行。1986年、全国最年少議員として衆院議員に初当選。現在12期目。自民党では幹事長、内閣では防衛大臣、農林水産大臣、地方創生・国家戦略特別区域担当大臣などを歴任した。