「後付け」で生まれた
三省堂が発行する「三省堂国語辞典」には、以下の記述があると深谷氏。
「[豆知識]目上に失礼な語と言う人がいるが、以前から『了解いたしました』など、丁重(ていちょう)表現として使われる」(「了解」を解説する説明)
「[区別]『承知しました』は丁重な表現だが、『了解(りょうかい)しました』は ふつうの丁寧表現。ただし、『了解いたしました』と言えば、じゅうぶん丁重な表現になる。『承知いたしました』は より丁重な表現」(「承知」を解説する説明)
そのうえで、
「『了解しました』は丁寧語で、これで意味は十分伝わります。『承知しました』になると、謙譲の意味を含みますから、相手を尊重しているような姿勢が伝わる言葉となります。これが今の時代に必要な言葉の使い方なのかは、議論があります」
と述べた。併せて、
「もともと、日本のビジネスマナーは、アメリカンビジネスマナーに発するものですが、英語では、このような言葉の使い方、(了解と承知の使い分け)はしないと思います。後付けで、『了解が失礼で、承知が好ましい』という言説が生まれたことは、間違いないと思います。」
との考えも示した。
(J-CASTニュースBiz編集部 坂下朋永)