「サンライズ出雲」には「もう、ほとんど乗らないですよ」
―― ご愛用の「サンライズ出雲」(東京-出雲市)は、23年7月にデビューから丸25年を迎えました。老朽化が進んでいますが、仮にリニューアルされるとすれば、どんな列車になってほしいですか。
石破: 定期的な夜行列車は、今となってはあれだけですよね。でも、今切符が取れないんですよ。
―― 「10時打ち」(切符が売り出されるタイミング=乗車日の1か月前の10時に申し込むこと)でも取れるか微妙だそうですね。
石破: A寝台はおろか、B寝台でも取れないですね。もう、ほとんど乗らないですよ。だって私たち(国会議員はスケジュールが流動的なので)、何日も前から予約できないもの。直前になって予約しようとしても、まず取れませんよね。もちろん夜行列車はそもそも儲からない代物なのですが、こんなに需要があるのにやめるというのは、選択肢としてはいかがなものかと思いますね。
「夜行列車がなくなった時から日本の凋落が始まった」というのが持論なのですが、やはり、自分のそれぞれの地方の町が東京と直結しているというのは大事なことだったと思いますね。「飛行機だってあるじゃないか」という声もあるでしょう。例えば日本最小県の鳥取県には、確かに鳥取空港がありますが、そこまで(鳥取市の中心部から)30~40分かかるわけですよ。
この「東京と地方が直結」という点に加えて、非有効時間帯。夜を使って移動する時間の使い道としては、(夜行列車で仕事をするというのは)ものすごく有効でした。
この2つの意味において、寝台特急の廃止以来日本の凋落が始まったという、これは私が唱える変な説なんですけどね。ただ、サンライズは、客車特急の「出雲」(06年廃止)ほどの愛着は、正直言ってありません。
―― 電車ですからね。
石破: そうです。大体、鳥取まで来ないしね(編注:山陰本線経由だった客車特急の時代は鳥取駅に停車していたが、サンライズは伯備線経由になり、鳥取を通らなくなった)。めちゃくちゃ遅れることが年に何回も。(サンライズは)廃止されない方がいいけど、今だって切符取れないし、というのはあります。