ジャニー喜多川氏性加害、本当は立件できた? 愕然とした当事者、弁護士も「捜査すべきだった」...警察が動かなかった理由とは

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「親にも言えないものは、警察にも言えないですよ」

   Jr.時代なら、警察や弁護士から何度も聞かされた「証明や証拠」がまだ可能だった。しかし、平本さんはその当時、警察に相談することはできなかったという。

   それでは、その時代に、なぜ相談しなかったのだろうか。この点について、平本さんは、こう説明した。

「12、13歳で警察ですか? 恥ずかしくて、親にも言えないものは、警察にも言えないですよ。親と一緒に警察に行けるわけがありません。性加害を受けたときに小学生や中学生では、言えないでしょ。子供では、どうすることもできませんよ。頭にも浮かばなかったと思います。学校や友達で広まったら、生きていけません。死ぬ覚悟になります。いじめや虐待と同じだと思います。人としての尊厳を奪われ、言えないから、傷が深まるんです」

   ジャニー氏の性加害が半世紀も続いた背景として、平本さんは、旧ジャニーズ事務所の影響力が発覚を遅らせたこともあるのではないかとみる。

「警察にも、事務所の強さが及んでいたと思っています。表に出ているのはごく一部で、色々な事件がうやむやにされたり、もみ消されたりしました。加害者に罰が与えられなかったから、これだけ被害が拡大したんですよ」

   そのうえで、警察や検察に対しては、次のように呼びかけた。

「男の子が男の被害に遭っていることについて、人の話を偏見なく聞くことが大事だと思います。僕は、35年間も性加害を訴え続けてきて、ウソつき扱いをされてきました。今となっては、捜査できないでしょうし、やらないでしょうけど、僕は、時効になっていない欧米の一部での性加害などについて、今後の再発防止の意図を持って捜査すべきだと思っています。記録として、デモンストレーションとして、捜査をやったらどうですか? 守るべき市民の声を聞かずして、何が警察なのでしょう。事務所周辺の方々も、性加害に加担して隠ぺいしており、今でも捜査できると思っています。なぜしないのかということです」

(後編へ続く)

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