ジャニー喜多川氏性加害、本当は立件できた? 愕然とした当事者、弁護士も「捜査すべきだった」...警察が動かなかった理由とは

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「証明や証拠がないと、刑事は動かないんだよね」

   ジャニー氏の性加害について、SMILE-UP.の外部チーム調査では、次のように表現している。

「内容は、マッサージと称して体を撫でまわす、性器に触る、ディープキスをする等のわいせつ行為や、口腔性交により射精させる、肛門性交をしたりさせたりするといったものである」

   被害者へのヒアリングでは、行為の後にジャニー氏から1~5万円を渡されたとの証言がいくつもある。調査では、「強制わいせつ罪等に該当し得る犯罪行為」と明確に断じており、性加害が長期間繰り返されたことに対し、前検事総長としての忸怩たる思いが伝わってくる。

   元Jr.らの救済活動を進めているジャニーズ性加害問題当事者の会代表の平本淳也さん(57)は、13歳だった1980年にJr.になり、16歳になるまで自らジャニー氏の性加害を受け続けたと取材に告白した。それでも、最後まで行為を続けることを拒むなどしたため、ジャニー氏から優遇されないまま、18歳になった85年に旧ジャニーズ事務所を退所した。

   北さんの告白本『光 GENJI へ』が出た後、平本さん自らも性加害を訴えるようになり、96年にその状況について暴いた『ジャニーズのすべて 少年愛の館』などを出版した。

   平本さんは、30代に入った97年か98年に、警察にジャニー氏の性加害について相談したことがある。

   そのために行ったわけではないと取材に説明し、こう明かした。

「作家もしていてメディア出演も多かったので、当時はストーカーの被害に遭っていました。神奈川県警の警察署に行って、被害の理由について聞かれたとき、ジャニーズ関連の本を出すタレント活動もしていたと説明しました。そのとき、ジャニーさんのことで、『ホモって知っていますか?』と尋ねたんです。『聞いたことはあるね』と答えたので、『事件になりませんか?』と切り出しました」

すると、警察署では、次のように素っ気なく返されたという。

「う~ん、証明や証拠がないと、刑事は動かないんだよね」

   ジャニー氏の性加害に対して、メモさえ取らず、まったく興味を示さなかったという。平本さんは、「こんなもんか」と愕然として、それ以上のやり取りはせず、その後は警察に相談しなかった。

   何人かの弁護士にも、「事件とかになりませんか?」と相談したが、警察同様に「証明とか証拠がないとね」と繰り返されたという。

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