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著名人の被災地訪問は「俺の行動力すげえだろムーブ」 人気ミュージシャン「この風潮なんとかならんの?」と苦言

   石川県で最大震度7を観測した令和6年能登半島地震を受け、被災地入りを報告するインフルエンサーや著名人が複数いる中、ミュージシャンとして活動する「NEKOMARU」さんが2024年1月4日にX(旧ツイッター)で疑問を投げかけている。

  • 被災地支援の際には「行く前に被災地の状況を確認することが重要」だ(写真:ロイター/アフロ)
    被災地支援の際には「行く前に被災地の状況を確認することが重要」だ(写真:ロイター/アフロ)
  • 被災地支援の際には「行く前に被災地の状況を確認することが重要」だ(写真:ロイター/アフロ)
  • 岸田文雄首相と国民民主党の玉木雄一郎代表のポスト。「今は一般車両の乗り入れはやめてください ということです」と指摘している
  • 石川県の馳浩知事のポスト。「今日が人命救助の山場です」と訴えた

「今は一般車両の乗り入れはやめてください ということです」

   地震の発生を受け、複数のインフルエンサーや著名人らがSNSで現地でのボランティアを行う予定だと表明した。4日までに現地入りを果たしたと報告する投稿も散見されており、フォロワーに向けて復興に向けたボランティアに参加するように求める投稿を行う人もいる。

   こうした中、オリジナル楽曲を複数配信しているミュージシャンのNEKOMARUさんは4日、自身のXに「著名人やインフルエンサーによる『いち早く現場に駆け付ける俺の行動力すげえだろムーブ』この風潮なんとかならんの?」と疑問を投稿した。

   さらに、東日本大震災の発災直後に東京電力福島第1原発をヘリで訪問する菅直人首相(当時)の写真を添えて、

「全てはここからはじまった気がするw」

とも指摘した。

   NEKOMARUさんの投稿には、「早けりゃいいというわけじゃないですからね。やむにやまれずの行動を責める気はないけど、それならアピールは必要ないはずですね」「現場の素人はちょっと遠くで募金するか、経済回してるのが良いかと思います」など共感の声が相次いでいる。

「総理は婉曲に表現されておられますが 今は一般車両の乗り入れはやめてください ということです」

   岸田文雄首相は同日、Xで「現在、限られた輸送ルートに一般の車両が殺到し深刻な渋滞が発生しています。被災地へ速やかに必要な物資が届けられるよう、できる限り利用を抑制していただくことについて、国民の皆様のご理解とご協力をお願いします」と呼びかけていた。

   国民民主党の玉木雄一郎代表は岸田氏の投稿を引用リポストし、「総理は婉曲に表現されておられますが 今は一般車両の乗り入れはやめてください ということです。気持ちはわかりますが、ご理解ください」と投稿の意図を説明した。

   石川県の馳浩知事も同日、現地に向かう災害復旧関係車両を映した動画を添え「石川県内の・国道249号・県道1号については、能登へ向かう災害復旧関係車両等を優先しています」と説明。

   「物資等の現地への直接搬入は、今はご遠慮ください。交通渋滞等により救命活動等の妨げとなる場合があります。今日が人命救助の山場です。くれぐれもご協力をお願いします」と訴えていた。

   適切なタイミングでの災害ボランティアは復旧・復興の大きな力となるものだが、政府広報オンラインのウェブサイトでは、「行く前に被災地の状況を確認することが重要」だとしている。

   「現地ではボランティアの受入れ体制が整っていない場合があります。力を発揮できないばかりか災害復旧作業の妨げになることもあります」という。