全国紙5紙の発行部数1450万部、15年で約半減 値上げの波も...デジタル転換の現在地は

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読売は紙を主体に生き残り図る「新聞withデジタル」

   特異なのが読売新聞だ。本格的に電子版を始めたのは19年2月だが、他社と違って電子版を単独で購読することはできず、紙媒体購読者向けの付帯サービスだと位置づけている。この背景のひとつに、他の4社と比べて紙媒体の減少がゆるやかなことがある。読売の23年上期の部数は642万4774部。15年前(1002万5101部)の64.1%、5年前(851万2674部)の75.5%の水準だ。「新聞andデジタル」ではなく「新聞withデジタル」をうたっており、あくまで紙を主体に生き残りを図る考えだ。

   ここ数年、山口寿一社長は賀詞交換会や入社式のスピーチで、読売のあるべき姿として「唯一の全国紙」という言葉を繰り返している。部数の回復が望めない中でも、体力勝負で消耗戦に勝ち抜いていく狙いが透けて見える。

   ただ、創刊150年にあたる24年には、読売は大きな判断を迫られそうだ。購読料値上げの問題だ。

   日本製紙は23年4月納入分から新聞用紙を1連(4000ページ分)当たり300円値上げしている。値上げ幅は1割強で、新聞社の経営を直撃した。これを受けて朝日が朝夕刊セットで月額4400円(税込)の購読料を5月1日から4900円に引き上げている。6~8月にかけて毎日、日経、産経が追随した。値上げ幅は11~14%程度。

   そんな中でも読売は3月25日の朝刊1面の記事で「少なくとも1年間」値上げを見送ることを発表していた。値上げは短期的には収入増につながる一方で、部数減を加速させる原因にもなるため「痛し痒し」。あと3か月ほどで、他社に追随するか態度を表明することになる。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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