新聞が斜陽産業で「崩壊」の危機にある、と指摘されるようになって久しい。J-CASTニュースが「新聞崩壊」と題して識者のインタビュー連載を掲載したのは2008年末のことだ。
それから15年。全国紙5紙(朝日、毎日、読売、日経、産経)の部数は、ほぼ半減した。特にコロナ禍を経た直近の5年では3割以上減少し、そのペースは加速している。多くの新聞社は電子版へのシフトで生き残りを図るが、有料会員の増加ペースは鈍っており、紙の減少を埋めるには至っていない。
日経の部数は303万2703部→158万6324部、獲得した有料会員数は89万7000
日本ABC協会がまとめた23年上期(1~6月)の平均販売部数は5紙合計で1450万6261部。15年前(08年上期)の2720万5747部と比べると53.3%の水準だ。5社のうち、産経、毎日、朝日の3社は5割を割り込んだ。 5年前(18年上期)の5社合計の部数は2122万9328部。今は、その68.3%の水準だ。
紙媒体が右肩下がりだが、電子版はどうか。全国紙で有料会員数を公表しているのは日経・朝日の2社のみだ。
日経は電子版を10年3月に創刊。17年1月に、創刊から6年10か月で有料会員数が50万人に達したと発表している。それから6年11か月後の23年12月の発表では、有料会員数は89万7000。増加のペースは鈍化しているものの、増えていることがうかがえる。もっとも紙媒体の部数は、電子版創刊時の10年上期は303万2703部で、直近の23年上期は158万6324部。紙媒体の減少分を電子版が埋めるには至っていない。