人材の奪い合いで労働生産性は改善の方向に?
労働生産性とはアウトプット(付加価値額や生産量)をインプット(労働者数や労働時間)で割ったもの。サービス業の労働生産性を上げるために、例えば飲食業で働く人の給与を上げる方策が考えられるが、メニューの価格も上げざるを得ないだろう。
「安く食べられる店が減りかねないところが痛しかゆしですね。労働生産性の低さは消費者にとって悪いことじゃなかったりするんですが、社会全体の購買力も下がってしまうので甘えすぎてはいけないんですよね」(Aさん)
また、労働生産性の低い業種から高い業種へ、つまり「より給与の高い会社」に労働者が移動することも対策として有効で、政府もさまざまな政策で労働移動を促している。
「日本の場合、終身雇用的な慣行がボトルネックとなり、転職者が増えにくいのが現状ですが、これからバブル入社世代が定年を迎えるので潮目が変わるかもしれません。人手不足が深刻化している業種もあり、給与による人材の奪い合いが増えると、労働生産性が改善の方向に向かう可能性はあると思います」(Aさん)