レトロ自販機置き場は「人手不足」を解消するか?
――ところで正直な話、及川さんってもはや、「レトロ自販機」の評論家じゃないですかね?
及川さん いやいや、私などまだとてもとても! まだ行けていない地域がたくさんありますからね。
――たとえば?
及川さん まず、北海道には行っていません。あと、東北も。さらに、長野県や新潟県も。あと......そう! 岐阜には「岐阜レトロミュージアム」というレトロ自販機を展示している博物館があるんですが、そこにも行けていないので、ぜひ行ってみたいと思います。
――そもそも及川さんが、レトロ自販機を「なおチャンネル」で扱うことを思い立ったきっかけは何でしょうか。
及川さん 単純に私が興味を持っていたというのはあるんですが、「なおチャンネル」の第1回が「1000円ガチャの自販機」を特集していて、その反響がすごくて。それから、「自動販売機」は数字を持っているのではないか、と思うようになったという点も大きいですね。
――マーケティング的な視点だったのですね!
及川さん ただ、レトロ自販機に関しては、今後、減ることはあれども、増えることはないでしょうから、いま営業しているところに出来るだけ長く営業してほしいと思っています。
私、知人にトラック運転手がいるんですが、その人の話を聞いていると、やはり仕事がきついと言っています。そういう人たちにとって憩いの場所となっているのが、レトロ自販機を備えたオートレストランなんですね。こういうレトロ自販機は、残ってほしいと思います。とくに、夜中に食事付きで休めるのは貴重ですし。あと、コンビニに比べて駐車場が大きいのもいいと言っていました。
――トラックの運転手といえば、2024年から時間外労働の総量が年間960時間以内でなければならなくなるということで、今、「2024年問題」が話題になっていますね。時間外労働がきちんと規制されるとなった場合、ドライバーのみなさんにきちんと休憩時間が発生するわけですから......オートレストランの利用客が増えるといいですね!
及川さん たしかに! その展開には正直期待してしまいます!
――オートレストランとコンビニの比較の話をしているうちに思ったんですが、オートレストランは「無人で営業できる」という点が、昨今の人手不足の時代を先取りしていたように感じませんか?
及川さん たしかに! そういう側面は確実にありますよね。
――いま、高速道路のサービスエリアに「無人コンビニ」がありますが、あれって絶対、「オートレストラン」がそのはしりにありますよね。
及川さん そうですよね! そう考えると、今後、無人コンビニが増えていくでしょうから、新時代の、それこそ今までにない食品自販機が作られるかもしれませんね!
――それでは、最後にお聞きます。今後、及川さんはレトロ自販機めぐりを続けられるんでしょうか?
及川さん もちろんです! さきほども触れましたが、まだ行けていないレトロ自販機置き場には行ってみたいと思っています。47都道府県を制覇したら、また取材してくださいね!