旧ジャニーズ、宝塚、楽天の選手、エネオス社長... 2023年にさらされたハラスメントが示す今の日本

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被害者側も、泣き寝入りせず戦う時代に

   そんな職場はストレスフルで、窮屈かもしれません。しかし、加害者側だけが一方的に力を行使できた硬直的な状態は崩されました。これは、朗報です。いまは、被害者側も力を得たことでハラスメントに泣き寝入りせず戦う事例が増え、新たな均衡点がもたらされるようになるまでの過渡期だと考えられます。

   たとえば、「ハラスメントは犯罪」と元自衛官の五ノ井里奈さんが性被害を告発し、被告たちが有罪判決を受けた裁判は、そんな過渡期を象徴する出来事だと思います。

   「ハラスメントブーム」の到来は、ハラスメント天国でやりたい放題だった人たちにとっては窮屈でしかないでしょう。古き良き時代が恋しくなるかもしれません。しかし繰り返しになりますが、ハラスメントの被害者たちは、ずっと窮屈以上の苦痛に耐え続けてきました。

   こうした動きとあいまって、職場環境をよりよく改善するため、過去からのツケがようやく支払われるようになったように思います。今後も、加速していく動きになるのではないでしょうか。



【筆者プロフィール】
川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう):ワークスタイル研究家/1973年、三重県津市生まれ。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業をはじめ複数企業で管理職・役員を歴任。現在は、人材サービスの公益的発展を考える会 主宰、ヒトラボ編集長、しゅふJOB総研 研究顧問のほか、執筆、講演、広報ブランディングアドバイザリー等に従事。男女の双子を含む4児の父で兼業主夫。

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