2023年12月28日から24年1月4日にかけて、東海道・山陽新幹線「のぞみ」が全席指定で運行されることに、X(旧ツイッター)では混雑緩和への期待や割高になることへの不満など、賛否の声が寄せられた。
J-CASTニュースが読者アンケートを実施したところ、84%が「賛成」と回答。このうち、全席指定化により「新幹線内の混雑の緩和」を望むという人が約半数を占めた。
「確実にピークシフトを促すという狙い」
「のぞみ」はホームの混雑緩和などのため、この年末年始以降、ゴールデンウイーク、お盆、年末年始の3大ピークに全席指定で運行される。なお、停車駅の多い「ひかり」「こだま」などは通常通り自由席が設けられるという。さらに年末年始は、「のぞみ」に限らず新幹線などの指定席特急券の値段が通常より最大プラス400円に設定されている。
これらの施策について、鉄道ジャーナリストの枝久保達也さんは12月9日のJ-CASTニュースの取材で、ピークシフトを促す狙いがあるとの見解を示していた。
「GW、お盆、年末年始の輸送ラッシュは、休日分散化が進まない日本特有の光景です。通勤電車もそうですが、ピーク日、時間に輸送が集中しすぎると、その期間で使うためだけの車両などを用意せねばならず、非常に非効率なので、JR各社は需要の分散を図るための弾力的な運賃制度の導入を求めています。
そこで従来、特急料金を『繁忙期』『通常期』『閑散期』に分けていたのを、2022年からGW・お盆・年末年始の特に混雑する日に限り『最繁忙期』として、自由席特急券との価格差を930円に設定しています。この状況で自由席があると、安く乗りたい人のインセンティブが逆に増すため、全席を指定席とし、(「『最繁忙期』以外の期間に)確実にピークシフトを促すという狙いがあるのだと思います」