「マイナ保険証」利用率下がりっぱなし 面倒くさい、個人情報漏れが怖い...リアルの声は厳しく

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   厚生労働省は2023年12月27日、マイナンバー保険証について、オンライン資格確認システムの利用状況を公表した。複数の報道によると、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」の11月の利用率は4.33%だった。7か月連続で低下しているという。

   現行の保険証は、2024年12月2日に廃止すると既に政府が閣議決定している。それなのに、利用状況はまだ1ケタ台――。マイナ保険証に対する人々のリアルな声を、J-CASTニュースBiz編集部が聞いた。

  • 申請が面倒くさいという人は多い!?
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「来年から完全移行とか、無理じゃないですか」

   40代女性の研究所職員Aさんは、そもそもマイナンバーカードを持っていない。「自動的に保険証として使えるのか、保険証として使うための申請をしなければマイナ保険証にならないのかすら、把握していない」と語る。マイナンバーカードを保険証として使うには、ウェブサイト「マイナポータル」で、「マイナンバーカードの健康保険証利用申込」を行う必要がある。

   当然Aさんは、マイナ保険証を利用したことがない。「今のところ病院で、マイナ保険証を提示しろと言われたことがない」と語る。「周りにも持っている人は見ません。来年から完全移行とか、無理じゃないですか」と答えた。

   40代の会社員男性Bさんも、マイナ保険証は「使っていない」「まだよく知らない」。さらに「移行の際には取得しなければならないが、非常に面倒くさい」とネガティブだ。

「資格確認書」を使うという人も

   30代女性で自営業のCさんも、マイナ保険証は使っていない。理由は「まだ保険証が使えるから必要性を感じないし、医療機関によってはいまだに対応していないところもあるから」だ。マイナ保険証については「情報管理は民間委託ではなく、何かあった時の責任の所在を明確にしてほしい」と語った。

   40代の学習塾講師の男性Dさんは、「コロナで国民が困っているところに『ポイントやるからカード作れ』という」姿勢に見えて、マイナカードすら作らなかったと明かす。

「もともと心配していたことでしたが、案の定トラブル続出です」

   2023年6月、医師や歯科医師による団体「全国保険医団体連合会」は、「マイナ保険証」について全国の保険医協会などから上がってきた情報として、別の人の情報がひも付けられていたケースが31都府県で114件確認されたと発表。また、また、窓口でマイナ保険証を認証できず、一時的ながら患者に全額負担を求めた例が38都道府県で776件に上ったとした。こうした混乱で、所管のデジタル庁は7月、政府の個人情報保護委員会から立ち入り検査を受けた。

   それでも2024年12月以降は、マイナ保険証に一本化となる。Dさんは、個人データが漏れるのが心配なようだ。マイナンバーカードを持っていない人や、持っていても保険証とひも付けていない人などが取得できる「資格確認書」を使う予定であると語った。

(J-CASTニュースBiz編集部 坂下朋永)

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