「アザラシの氷河くん」というキャラクターが、かわいらしい見た目に反して「設定がリアル過ぎてつらい」などとしてX(旧ツイッター)で話題になっている。氷河くんは、厚生労働省愛知労働局の就職氷河期世代支援キャラクター。公式サイトによると、正社員になれず契約社員として働くも、過酷な労働環境から体調を崩し、引きこもりの経験があるという設定だ。
リアルな設定の理由について、愛知労働局はJ-CASTニュースの取材に、「お困りの方々がリアリティを感じていただけるよう」に設定したと明かした。
「過酷な労働環境下で体調を崩し、ひきこもり状態」
愛知労働局の就職氷河期世代支援特設ページには、氷河くんの4コマ漫画が3話掲載されており、氷河くんは1話目のプロフィールで、
「就活をがんばったけど正社員になれず、契約社員として会社勤めをしたが、過酷な労働環境下で体調を崩し、ひきこもり状態が続いている。最近は母親が通い始めた場所で同じ悩みを持つ人たちも参加できる『居場所』があることを知り、そこで時間を過ごすうちに、少しずつ他の人や社会とかかわりを持てる自信がついてきた」
と、紹介されている。2話目では40歳であることも明かされている。
漫画には母親の「氷河くんママ」やアライグマをモチーフにした「ひきこもり支援の新井さん」、ネコをモチーフにした「サポステの根子さん」などのキャラクターも登場している。氷河くんママのプロフィールは次の通り。
「子どもがひきこもりになり本人が苦しんでいる姿を見ながら何もできず、ずっと一人で悩んできたが、ひきこもりの子どもを持つ親同士で心を開いて話をすることができる集まりに参加して、心が軽くなった」
漫画では氷河くんが引きこもり状態から、地域若者サポートステーションやハローワークなど支援の場につながり、安定した就職先を見つけるまでを描いている。