バウアーから受けた「一番の衝撃」とは? 「この時代に...」元NPB球団コーチが思う日本球界への一石

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   2023年シーズンのプロ野球を盛り上げた1人としてDeNAのトレバー・バウアー投手(32)が挙げられる。大リーグのシンシナティ・レッズ時代の20年に、その年に最も活躍した投手に贈られるサイ・ヤング賞を受賞し23年3月にDeNAに移籍。今季は先発としてチームに大きく貢献したバウアーは、日本球界にどのような影響を与えたのか。J-CASTニュースは、巨人、ヤクルト、西武、楽天でコーチを歴任した橋上秀樹氏(58)に分析してもらった。

  • バウアー投手(写真:AP/アフロ)
    バウアー投手(写真:AP/アフロ)
  • バウアー投手(写真:AP/アフロ)

「何十年も前にタイムスリップしたようでした」

   大リーグ通算83勝のバウアーは今季先発ローテーションの一角として19試合に先発して10勝4敗、防御率2.76を記録。中6日の登板間隔が一般的な先発投手の日本においてバウアーは自ら望んで中4日、中5日で登板することもあった。

   先発投手は6回100球が1つのメドとされる中、2度完投するなど100球を超えるマウンドが多く、19試合で130イニングを超えた。

   シーズン前からバウアーに注目していたという橋上氏は「一番衝撃だったのが、この時代に登板間隔が極端に短く回れるということです」とし、「ケガのリスクがあるので先発ピッチャーは週1で100球という傾向になっており、昔のプロ野球の先発ピッチャーのイメージが薄れてきている。このような中でバウアーは時代に逆行したある意味、日本球界に一石を投じるようなシーズンでした」と振り返った。

   さらに「今季のバウアーを見ていると何十年も前にタイムスリップしたようでした。昔のタイプのピッチャーです。今は中4日という言葉は聞きませんし、死語でした。中4日で果たしてどれだけできるのかと思ったが、内容を伴っていた。やろうと思えばできるのだということが実証された。バウアーの今年の姿を見て日本のピッチャーがどう感じるか。やれないことはないと思います」と続けた。

「ユーチューブに代表されるようなバウアーの発信力」

   情報発信力にも感心したという。バウアーはシーズン中に自身のユーチューブ動画でプライベートや練習方法などを積極的に発信してきた。ファンの関心度は高く、100万再生を超える動画もある。

   橋上氏は「ユーチューブに代表されるようなバウアーの発信力。これまで日本人選手にいなかったタイプです。賛否分かれるかもしれませんが今までなかったこと。球団は色々と規制をかけてヒヤヒヤしていたかもしれませんが、ファンにとっては新鮮だったでしょう。選手の方からトレーニングなどの映像を出してくれるのでファンの楽しみが増える。バウアーがユーチューブでアップしているトレーニングを参考にしている選手もいると思います」と語った。

   そして「投球内容やマウンドに向かう姿勢など見習うべきことは多かったと思います」とし、次のように持論を展開した。

「科学的なトレーニングを取り入れてそれを使いこなしているのは、改めてすごいなと思いました。こういう所も今後のピッチャーの方向性を示す上でプラスになっていると思います。短い登板間隔の中で、感覚的なものだけに頼ることなく科学を取り入れている。そういった意味では非常に理にかなっている。過去に独自のトレーニング方法を持っていた外国人選手はいたかもしれないが、バウアーのような発信力はなかった。今まで来日したピッチャーの中では群を抜いて影響力が大きいと思います」

   DeNAは11月30日にバウアーを自由契約にしたことを発表。日米の球団でプレーする可能性がある中で、12月28日時点で去就は決まっていない。

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